ヨルダン政府と日本の離反を画策するISISにどう対処すべきか | 早川忠孝の一念発起・日々新たなり 通称「早川学校」

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弁護士・元衆議院議員としてあらゆる社会事象について思いの丈を披歴しております。若い方々の羅針盤の一つにでもなればいいと思っておりましたが、もう一歩踏み出すことにしました。新しい世界を作るために、若い人たちとの競争に参加します。猪突猛進、暴走ゴメン。

ヨルダン政府とISIS側に直接の交渉の窓口が開かれているのかどうかが、まったく分からない。

ユーチューブへの投稿で自分たちの要求を突き付けてきているのだから、やはり交渉の窓口はないと考えるのが相当だろう。
交渉の窓口がどこにもなく、交渉の担当者、交渉人がどこにもいそうでない、というのは交渉事を進めるのには最悪の状況だと言っていい。

要求を呑むか、呑まないかの択一しかないのだから、まさに究極の選択が迫られているということだ。
要求を呑んだからと言ってテロリストが人質を解放するとは限らない。

約束事を守るような相手なら、大体は相手が呑めるような条件を提示してくるものだ。

ISIS側は、今回、後藤さんとヨルダン政府に捕えられている死刑囚の1対1での交換を要求してきている。
ヨルダンのパイロットの釈放については言及せず、24時間が過ぎた場合は後藤さんの処刑が行われることを示唆し、その前にヨルダンのパイロットの命が奪われるだろうと言っているのだから、いわばヨルダンのパイロットの命よりも日本人の後藤さんの命の方を優先すべしと言っているに等しい。

ヨルダン政府やヨルダンの国民にとっては到底受け容れられない話だが、日本政府としても絶対にヨルダン政府側には言えないような話である。

明らかに日本側が呑めない条件を出してきた、というのは、やはり政治的なメッセージを出すためだ、と考えておいた方がいいだろう。
このようなおよそ受け容れがたい要求を突き付けてくるのは、ヨルダンと日本を離反させることに主たる目的がある、と考えて対処した方がよさそうである。

となると、自ずから日本政府としての対処方針が決まってくる。

日本政府としては、ヨルダン政府の判断を尊重し、ヨルダン政府に事件の解決を一切委ね、どんな事態になってもヨルダン政府の決定を支持し、ヨルダン政府に対しあらゆる協力を惜しまない、と言わざるを得ないはずだ。