公務員の給与を削減させようとする圧力が相当に強そうだが、私はこれに反対だ。
法律や条例に定めのない闇給与や闇手当のようなお手盛りはいけないが、大事な行政サービスに従事する公務員にはその職務、職責に応じた給与を支払うべきである。
仕事をしない公務員は遠慮なく降格、降級処分にし、時にはその職を召し上げることも必要だろうが、公務員だからということで給与を減額したり、その職を奪うのはいけない。
ノーワーク、ノーペイはいいが、公務の安定性、継続性、公平性を損ないかねないただの公務員バッシングは止めた方がいい。
公務員の給与をダウンさせると、民間の給与もダウンする。
民間の給与を増やすためには、企業の収益の改善も重要だが、公務員の給与水準を下げないことも重要になる。
若い勤労者の給料が月額15万円程度でしかない、などという窮状を耳にすると、さすがにいたたまれない。
住居費や水道光熱費、通信費などを差し引くと数万円程度しか残らないということになると、それでどうやって食べていけるのか、という話になる。
ちょっとひどすぎるのではないか、と思うが、そういう話が実に多い。
これでは、若い方々が疲弊する一方である。
どうしても若い方々の所得を増やす必要がある。
別に私たちの世代が金を出し惜しんでいるからそうなっている、という話ではない。
若い方々を雇用する企業が若い方々にそれだけの給与しか払わないから若い方々が困窮するのである。
労働分配率を変える必要がある。
若い方々には、その労働に見合った適正な給料を支払う必要がある。
さて、何が適正な給料か。
労働の対価を決める適当な指標は、現実にはないと思われるから、多くの企業は公務員に対する給与を目安にして給料の額を決めているはずである。
従って、公務員の給与が低く設定されていれば、民間の企業に雇用されている被用者の方々の給料も自ずから低くならざるを得ない。
公務員の給与を低くすればするだけ、一般の勤労者の生活が苦しくなる、ということになるのではなかろうか。
国民の生活が大事、というスローガンは正しい。
財政再建のために様々な冗費の節約は必要だが、だからと言って公務員の給与を削減することばかり考えていたのでは反って国民の生活が苦しくなるのではないか。
あえて、問題提起をしておく。
暴論だろうか?