野党の国会議員はオンブズマン的な役割を果たす存在になれるか | 早川忠孝の一念発起・日々新たなり 通称「早川学校」

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弁護士・元衆議院議員としてあらゆる社会事象について思いの丈を披歴しております。若い方々の羅針盤の一つにでもなればいいと思っておりましたが、もう一歩踏み出すことにしました。新しい世界を作るために、若い人たちとの競争に参加します。猪突猛進、暴走ゴメン。

小選挙区制選挙と議院内閣制の下では、与党の国会議員ばかりでは国会が国会としての役割を十分果たさなくなってしまう虞がある。

政権基盤が安定するという意味では、小選挙区制選挙で多数を占めた政党には好都合だろうが、野党に政策策定能力が乏しいと国会から緊張感が失われ、国会議員同士が切磋琢磨する機会が大幅に減少することにもなりかねない。

枝葉末節のことにばかり拘り、揚げ足取りに終始し、結局一番大事な法案の中身や予算の根幹部分についての議論がなされないままに、様々な議案が次々に可決されていく、というのは困ったことである。

強行採決という形はとらないまでも、ちょっと審議不足じゃないか、もう少し議論を尽くすべきだ、と思うような事態も現出している。
基本的には野党の力が不足しているからこういうことになるのだろうが、もう少し存在感のある野党議員が増えてもいいはずだと思っている。

与党の若い国会議員は、段々採決の時に賛成票を投じればいいだけの採決要員に転落していってしまう。
気の毒だが、社会経験も不足し、特定の専門分野も持たない人たちでは、とても長年永田町で様々な法案作りを引き受けてきたベテラン議員やいわゆる族議員、あるいは業界代表の議員には太刀打ちできないだろうから、よほどの勉強をしないとそうなってしまう。

国会を国会らしくするためには、やはり実力のある野党の国会議員に頑張ってもらう必要がある。
残念ながら民主党にはそういう議員が少なかったようである。

今回の選挙にどれだけの能力を持っている人たちが名乗りを上げてくれているのか知らないが、野党の国会議員には人格、識見、能力の面で与党の国会議員よりも遥かに優れている、と評価されるような方々に是非なってもらいたいものだ。

自民党安倍内閣の単なる補完勢力になってしまったのでは、国会議員にオンブズマン的な役割を果たしてもらうことはとても期待できない。