橋下氏は、大阪都構想そのものを住民投票にかけようとしているのである。
橋下氏の方針に反対する大阪市議会の人たちは、橋下氏の政策に反対してあくまで自分たちの方針を押し通したいのであれば当然橋下氏の対抗馬を出すべきである。
戦いを挑まれて逃げるというのはどうにも解せない。
対立候補を出さないで漫然と橋下氏の当選(一応、再選ということになる)を許すというのであれば、結局は自分たちの方針が市民に受け入れられないのを端から認めるようなものである。
大阪都構想は、道州制の実施を念頭に、大阪府と大阪市を一つの自治体にしようという大きな改革の中に位置付けられているのだろうと思う。
賛否両論があるテーマであるが、これに反対する人たちは今こそ反対の狼煙を堂々と上げるべき時である。
大阪都構想をどうしても潰さなければならないと思っているのであれば、少なくとも橋下氏の再選阻止に動かなければならないはずだ。
市長選挙に何億も金がかかるから無駄な選挙は止めた方がいい、というのはごく自然な発想で、通常はそのとおりである。
しかし、どうしても市民の声を聞かなければならないことがある。
多分、今がその時なのだろう。
大阪市政は、何もしない、何も決められない状況の下でただズルズルと現状を続けるのがいいのか、それとも橋下氏の主導の下で大阪府や大阪市の行政のあり方を根底から変えていくための努力を続けていくのがいいのか、という選択に迫られているのだと思う。
住民投票よりも選挙の方が、市民の声を反映するには確かにいい。
住民投票の実施が出来ないから出直し市長選で市民の声を聞く、というのはよく考えられた手法である。
橋下氏の手法に我慢がならない人たちは橋下氏を選挙で落とせばいいだけの話だから、むしろ橋下氏の辞任を歓迎すべきである。
市民が主役を標榜する政党まで橋下氏の辞任を批判しているのは、どうにも解せない。
選挙は、水物である。やってみなければ分からない。
最初から負けるから候補者を擁立しない、などと言っていること自体が情けない。
大阪の人たちも、自分たちに大阪市政のあり方について発言するチャンスが巡ってきたことを歓迎すべきである。
さすが大阪の人は凄い、と言わせるようなことをやってもらいたい。
いいチャンスである。
東京都知事選挙も段々盛り上がってきているが、大阪も燃えたらいい。
地方選挙が日本の国を変える切っ掛けになる。
弁護士早川忠孝の雑来帳「ザッツライッ」
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