憲法熱し易く冷め易い、と言われてきた私たちだが、例年の如く今年も5月3日の憲法記念日を過ぎたら憲法改正に向けたムードが一気に冷めてきた。
維新の橋下氏の失速が大きかったようだ。
国民世論を糾合できるような政治家が現われて、大多数の国民が共感できるような憲法改正議論を進めてくれれば、細かい議論はさておいてこの人の話に耳を傾けてみよう、本当にどっちを選べばいいのか判断はつかないが、こういう立派な人が一生懸命勉強してこれがいいと言っているのだから、最後はその人の判断に従おう、ぐらいの感覚でいる人が多かったのに、橋下氏は一挙に危ない人、になってしまった。
自民党が言うから危ない。
橋下氏が言うから危ない。
こんな風に短絡的に決めつけてしまいがちなのが、世論である。
危ない、と思われたら憲法の改正など言い出せなくなる。
憲法の改正をすることが国民の死活的利益に関わることで、憲法の改正で国民の生活が飛躍的に向上するのであれば、憲法の改正に向けたムードが盛り上がるはずだが、今はそういう雰囲気がどこにもない。
やはり、危なくない人たちに憲法を語ってもらった方がいい。
今度の参議院選挙が終わったら、憲法改正推進国民会議を発足させることだ。
憲法改正を語っても危なくない、元衆議院憲法調査委会の会長の中山太郎氏や憲法調査委会の委員であった私などがそのメンバーにでもなれば、随分落ち着いた憲法改正議論が出来るようになるはずだ。