軍隊かどうかは自衛隊員の生命に関わる重要問題である、という認識の根底にある問題 | 早川忠孝の一念発起・日々新たなり 通称「早川学校」

早川忠孝の一念発起・日々新たなり 通称「早川学校」

弁護士・元衆議院議員としてあらゆる社会事象について思いの丈を披歴しております。若い方々の羅針盤の一つにでもなればいいと思っておりましたが、もう一歩踏み出すことにしました。新しい世界を作るために、若い人たちとの競争に参加します。猪突猛進、暴走ゴメン。

自衛隊員が捕虜になった時に一般の民間人の扱いだったらその生命が危険に曝され、軍人だったら保護されるようになるから、自衛隊員の生命を護るために、自衛隊を軍隊とし自衛隊員を軍人とすべし、と主張される方々がおられる。

何かとてつもない事態を想定しての立論のようで、多分一般の方々には呑み込み難い話である。
日本が戦争状態に陥って、自衛隊員が現実に具体的戦闘行為に従事している、ということを前提にしなければならなくなる。

日本の防衛、領土の保全、主権の回復、国民の救出、外国の攻撃に対する反撃、などという言葉を書き連ねていくと、日本の自衛隊がどんどん軍隊化していくのは必然だが、実際に多くの国民が自衛隊員に期待し、その存在を高く評価するのは東日本大震災等の自然災害の際の自衛隊員の自分たちの危険を顧みない献身的な活動である。

国民の生命、身体の安全を護り、イザという時に国民の救出に当たるという、その自衛隊員の崇高な職務に対して、多くの国民は感謝し敬意を表している。

しかし、自衛隊をどうしても軍隊にしたい方々は、本気で日本の自衛隊を諸外国の軍隊と同じような存在にしていきたいと考えておられるようだ。
国防軍を創設して自衛隊員を軍人として処遇し、軍事法廷・軍事裁判所を設けることを提唱されておられる方々は、日本が戦争状態に陥り、軍人である自衛隊員が現実に戦闘行為に従事するようなった時に、敵前逃亡や利敵行為を行うような隊員が出てきたのでは困る、と憂慮されているのだと思う。

自衛隊の士気を高め、自衛隊の戦闘能力を維持できるようにしなければならないから、軍隊としての自衛隊の規律に違反した者に対しては、簡易迅速かつ厳正にこれを処罰できるようにしたい、ということではなかろうかと思っている。

これは、邪推だ、寝言だ、などと仰る方もおられる方も知れないが、そういう懸念があることは間違いない。
そんなことは無理だし、そんなことを考えていたのでは、日本は戦後培ってきた日本独特の良さや文化、さらには日本の独自性などを失い、結局は自衛隊に人を得られなくなる、というのが私の考えである。

勿論、私は自衛隊の中にいた訳ではなく軍隊のことは何も知らないが、こういう物騒な話はほどほどに切り上げて、もっと大事なことに力を注いだ方がいい。
如何か。