憲法無効宣言はいけない | 早川忠孝の一念発起・日々新たなり 通称「早川学校」

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弁護士・元衆議院議員としてあらゆる社会事象について思いの丈を披歴しております。若い方々の羅針盤の一つにでもなればいいと思っておりましたが、もう一歩踏み出すことにしました。新しい世界を作るために、若い人たちとの競争に参加します。猪突猛進、暴走ゴメン。

取りあえず言うだけよ、ということだろうからあえて逐一批判はしないが、石原都知事の憲法論はいけない。

さすがに石原知事も、現行憲法は無効だと宣言して旧帝国憲法に戻ればいい、などとは考えていないと思うが、憲法の改正手続きが面倒だから現行憲法は無効だと国会で決議して新しく憲法を創ればいい、などと考えているのだとしたら、これは革命の煽動に当たる。
日本の核武装にしろ憲法無効宣言論にしろ、石原都知事の言うことはぶっ飛んでいる。

冗談だと思うから黙って聞いているが、本当にそんな旗印を掲げて石原新党を立ち上げようとしているのだったら、私はその反対側に立つ。

文言も拙劣なところがあり、制度的な欠陥を内包している現行憲法だが、それでも日本の民主化と国際化、非軍事国家化、さらには男女平等、個人尊重の福祉国家的社会の建設に役に立ってきた。
その恩恵に浴しながら現行憲法は無効だ、などと言い出せば日本には拠るべき規範がないことになる。

規範を欠いた社会は、力の強い者や声の大きい者が勝つ、剥き出しの暴力が支配する社会になり易い。

どんなに個人的魅力がある石原東京都知事であっても、こんなとんでもないことを真面目な顔で言い出すのであれば、この人にも早く引導を渡さなければならない。
如何か。