一筋縄ではいかないということは、これまでの一連の経過で分かっている。
菅総理が様々な理屈をつけて引っ張れるだけ引っ張るつもりであり、場合によっては不意打ちの解散という秘策まで用意しているという状況で考えると、通常国会の延長議決を会期末の今日まで延ばしてきたのはなかなか考えられた作戦だ。
菅総理に鈴を付けるが自分の役割だ、と岡田幹事長は述べていたようだが、私は岡田幹事長のその言葉を信じたい。
嫌だ、嫌だ、辞めるのは嫌だ、と駄々を捏ねている絶対権力者に絶対権力を行使させないようにして上手に辞意を表明してもらうためには周到なテクニックが要る。
タイミングを誤ったら藪蛇になる。
狙い澄ましたように、その一瞬に放つ一手。
まるでスナイパーのような手際が求められている。
今日が、その日である。
民主党内では赤字国債発行特例法案と第二次補正予算が成立した段階で菅総理に辞任してもらうという流れが大勢になったと今朝のNHKが報じていた。
しかし、菅総理がそのシナリオ通り動くかどうかはまだ分からない。
何も手を打たなければ、またその場凌ぎの曖昧語で逃げ切りを図るはずだ。
人がいい人たちはそれに乗ってしまいがちである。
一度騙された人は二度目も騙される。
世の中に詐欺師やペテン師と称される人は結構多い。
詐欺的商法が成功するのは、それだけ騙されやすいいい人が多い証拠である。
詐欺的商法の世界で珍重されているのが詐欺的商法被害者のリスト。
永田町の人たちの名前はその中に入っていないとは思うが、警戒しておいて損はない。
菅総理が口先だけで誤魔化そうとしたときに岡田幹事長が打つ手は、一つ。
民主党の執行部の人たちも菅内閣の閣僚も、さらには野党の人たちもこれには協力した方がいい。
通常国会を一旦ここで閉じてしまうことである。
コンピューターが作動しなくなったら、強制終了することだ。
幸い、今のコンピューターは強制終了しても壊れなくなっている。
これが岡田幹事長の瀬戸際戦略だったら大したもんだ。