既に多くの人がコメントしているが、鳩山前総理の引退予告撤回劇には唖然としている。
辞めるのやめた、は小沢氏と私の専売特許のはずだったが、とうとう鳩山氏まで仲間に加わった。
小沢氏の場合は、自民党との大連立構想が当時の民主党から総スカンを食ったため代表を辞任する、と表明し、これに慌てた民主党の多くの議員からの懇請に応えての、「民主党代表を辞めるのやめた」だった。
私の場合は、誰から言われたのでもなく、「自分の仕事が終わったら法務大臣政務官を辞めて、党に戻りたい」宣言に過ぎなかったが、当時の「麻生内閣に反逆する新たな政務官現る」イメージ作りを狙っていたマスコミに追われ、結局、当時の官房長官や法務大臣の要請を受けての「政務官辞めるのやめた」事件である。
鳩山前総理は、自分の政治責任を取っての「総理大臣辞めます。次期衆議院選挙には立候補しません」宣言だ。
小沢氏や私とは、質が異なる。
総理の言葉は重い。
総理がコロコロ発言を変えることは許されない。
鳩山前総理は、総理大臣と民主党の代表の職は辞任したが、次期衆議院選挙への不出馬はこれからのこと。
この段階で自分の発言を撤回することなど認められるはずがない。
鳩山氏は、菅総理や仙谷官房長官に不満なのだと思う。
自分のこれからの言動が民主党に当面どんな悪影響があっても構わない、と開き直っているのだろう。
これは、鳩山前総理の宣戦布告、菅内閣の倒閣宣言である。
鳩山氏は一年前の自分の颯爽とした国際社会の表舞台への登場振りが忘れられないのだと思う。
私に任せなさい。
トラストミー。
あの言葉をもう一度私たちは聞くことになるのか。
鳩山氏夫妻にとって総理大臣のポストは、やはりとてつもなく美味しかったようだ。