それにしても前代未聞、大変な事態になってしまった。
間違った捜査を糊塗するために、証拠物の改竄を試みた主任検事。
証拠物の改竄を聞かされながら、間違った起訴を維持するために、これを単なる担当者の過失と無理にこじつけ、それ以上の調査をしないで不正義の公判を維持した大阪地検の特捜部の検事たち。
違法行為に関与した検察官は全員、法曹の倫理を喪った法曹不適格者である。
直ちに辞表を提出すべきはないか。
捜査状況が正確にはつかめないが、昨日最高検が大阪地検特捜部の前部長と副部長を犯人隠避罪の容疑で逮捕に踏み切ったことについては、多少問題もあるようだ。
新聞報道では、最高検は在宅起訴も検討していたが、被疑者の二人が全面否認を続けていたために逮捕に踏み切った、とある。
この報道を鵜呑みにすると、犯行を認めると逮捕されず、犯行を認めないと逮捕されるのか、ということになってしまう。
刑事訴訟の基本に関わることだが、被疑者の身柄を確保する要件があるのかないのか、ということに十分留意する必要がある。
あいつは自白しないから、嘘をついている、それじゃあ逮捕だ、などと短絡的に考えるべきではない。
自白しないから悪質だ、などと考えてもいけない。
あくまでも、逃亡の虞や証拠隠滅の虞がある、ということが前提である。
裁判所は、逮捕許可令状の発布にあたって厳密な審査を行なっていると思うが、大変な事態だからこそここは冷静に法の適用を行なっていただきたい。
法曹の一人として、今回の事件について裁判所において厳正な令状審査が行なわれたうえでの身柄拘束であったことを願っている。