自民党の中でおかしな動きが出てきているように思う。
森、安倍、麻生の歴代総理が公然と谷垣総裁批判を展開し始めている。
これでは、自民党は旧態依然の古い政党だということになりかねない。
民主党が自壊作用を始めようとして時に、自民党の古手の政治家が結果的に民主党の結束を促すようなことになる。
森元総理は、自民党の新3役や参議院の役員の顔ぶれが気に入らないようだが、個人の好みであれこれ言って人の足を引っ張るようなことはお止めになった方がいい。
座談の名手だから、聞いている人はついその気になってしまうが、今の状況では何もいいことがない。
小池百合子総務会長や石破茂政調会長は、石原伸晃幹事長と併せて今の自民党にはなくてはならないスター候補である。
足りないところは補ってあげればいいだけで、3役の人選などについて谷垣総裁に文句を言うのはおかしなことだ。
谷垣さんに必要なのは、力である。
小姑、大姑の言うことを一々聞いていたのでは、決断力が損なわれる。
安倍元総理や麻生元総理と会談したのは自民党の派閥解消への布石だったかも知れないが、マスコミを通じて国民に聞こえてくるのは、尖閣諸島問題についての谷垣総裁の対応の消極性に対する批判である。
やっぱり谷垣さんは頼りない、管総理が退陣しても日本は変わらない、という思いを国民が抱くようになると、次に出てくるのは、小沢待望論である。
小沢さんが中国に行けばよい、などということを、森元総理が言うようでは困る。
私だったら中国首脳とホットラインで話が出来た、とのたまわった、と言われている鳩山氏と同じレベルの話になってしまう。
思ってはいても、絶対に口にしてはいけない禁句の類だ。
谷垣さんは、派閥解消で逆襲したらどうか。
「そろそろ世代交代」、ということを臭わせてもいい。
この際、思い切って力を奮ってみることだ。
新たな政界再編の呼びかけを谷垣さんがやってみる、などということもいい。
攻撃は、最大の防御なり。
来年4月の解散・総選挙に向けて、問題のある選挙区の候補者の差し替えを含め、候補者の公募を実施して最適任者を公認する、という新たな方針を大々的に打ち出してもいい。
谷垣包囲網をまず突破することだ。