鳩山総理の政治団体の故人献金問題、まだ幕引きは早過ぎる | 早川忠孝の一念発起・日々新たなり 通称「早川学校」

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弁護士・元衆議院議員としてあらゆる社会事象について思いの丈を披歴しております。若い方々の羅針盤の一つにでもなればいいと思っておりましたが、もう一歩踏み出すことにしました。新しい世界を作るために、若い人たちとの競争に参加します。猪突猛進、暴走ゴメン。

ひょっとしたら、これが致命傷になるかも知れない。


私のブログの読者の方が贈与と寄付とは違うんじゃないか、とコメントを寄せていただいた。

法律的には寄付も贈与の内、などと思い込んでいたが、政治が絡んでくるとそうは行かないことがはっきりしてきた。

マスコミの報道で親から子に対する贈与だとばかり思い込まされていたが、そうとも言えない。

どうやら息子の方は、詳細を把握していなかったようである。

無心などしていない、母親に聞いてもらえば分かる、と色をなして反論するほどだから、ここは額面どおり受け止めた方がいい。


となると、母親は何のためにお金を渡したのか、ということになる。


勿論、貸付ではない。

貸金だったら返済期日や利息の約束、あるいはその他の返済条件、さらには担保の提供などを求めたはずである。

毎月一定額を手渡すなどという行為も通常の貸付ではあり得ないこと。

利益を受ける当事者が明確にそのことを認識していないとすれば、純粋な親子間の贈与、とは言い難くなる。


この問題は尾を引く。


息子の政治活動を支えるための寄付、だということになると、政治団体以外は政治目的の寄付を受領することを禁止されているから、政治団体への寄付だったと構成しなければならない。

こうなると、寄付者の意図がどこにあったのかを究明しなければならなくなる。

単なる上申書で済ませることが出来る問題ではない。


政治団体の政治資金収支報告書の不記載問題にも発展する。

勿論、弟の鳩山邦夫氏も同じ問題を抱えているが、いずれにしても鳩山総理の母親から直接話を聞く必要が出てきたことは間違いない。

年老いた母親まで引っ張り出すのはやりすぎじゃないか、という声も出てくるだろうが、単なる親子間の贈与なのか、それとも政治活動に対する支援なのかは、後の処理に大きく影響する大事な問題だからいい加減に済ませるわけにはいかない。


まあ、常識的に言えば、母親は鳩山総理や鳩山邦夫氏の政治活動の為に資金を提供した、ということになるはずだ。


鳩山総理については検察審査会に対しての申立てがあったはずだ。

検察庁では捜査の終結宣言をしたつもりかも知れないが、まだ捜査が尽くされていない、ぐらいの判断はされてしまうのではなかろうか。

私のブログにコメントを寄せていただいた読者の方に改めて御礼を申し上げたい。

よく考えれば、まだ総理の政治団体にかかる故人献金問題の幕引きは出来ないということだ。