日本航空の再生問題が迷走している。
今朝の日経によれば、
日本航空としては、とりあえず今月の13日に事業再生ADR(裁判外紛争解決手続き)にADRを申請し、金融機関への支払いを一時猶予してもらい、後は企業再生支援機構の支援決定を待つ。
それまでの間のつなぎ融資は日本政策投資銀行が全面的に担い、メガバンクによる民間融資は国際協力銀行による保証がついた機材購入資金などにとどめる。
政府は、政策投資銀行のつなぎ融資分についてはたな立法措置で事後的な保証をつける。
年金債務の減額問題については特別立法で対処することを視野に入れて対処する。
ということである。
再建を前提にした法的整理の可能性は排除していない、と前原国交大臣は述べたようだが、これは初めから分かっていたこと。
もう少し識者の意見を聞いていれば、こんなに迷走することはなかった。
OBに対する年金の減額が財産権の侵害に当たる、とか、憲法違反ではないか、という議論が出ているようだが、企業が破綻処理をせざるを得ないときにOBの方々の年金受給額が一定程度減額されることがあるのはやむを得ないところ。
にっちもさっちも行かなくなるまで待つのではなく、さっさと結論を出すことが重要。
一見難しそうだが、実は案ずるより産むは易し。
衆議院、参議院に日本航空問題特別委員会を早急に設置し、経営陣、各関係労働組合の代表者等を参考人に招致して徹底的に日本航空の積年の膿を出せば良い。
そのうえで、航空事業の再生に関する特別措置法(仮称)を議員立法で今月末を目途に成立させることである。
民主党や鳩山内閣だけで日本航空の再生をやり抜く、などと妙に肩肘を張る必要はない。
国民の財産と言ってよい航空事業の再生を、今こそ衆知を集めてやり抜かなければならない大事な時である。
私は、鳩山内閣に日本航空の破綻の責任を負わせることは出来ないと考えている。
これまでの自民党内閣、自公政権、いや戦後の日本の航空行政そのものに問題があったのだから、政権交代を契機に、国民総がかりでこの問題の解決に当たる、という考え方は悪くないはずだ。
さて、それだけの度量が、鳩山総理や小沢将軍、藤井ご意見番にあるかどうか。
関係者の法的、道義的責任を曖昧にしたままの密室での再建案の策定や日本航空救済のための特別措置法の強行採決だけは、勘弁願いたい。