戦いというのは、残酷なものである。
良いものも悪いものも、味噌もくそも一緒にして攻撃の対象とする。
結果的に戦いに敗れれば、敗れた者が一生懸命に考え抜いた良い制度も敗者と共に葬り捨てられる。
これが後期高齢者医療制度の運命のようだ。
残酷なことをするものだ。
当初は、止むを得ない選択として皆、受け容れたはずなのに、そのネーミングを巡っての議論からあっという間に後期高齢者医療制度が高齢者切捨て制度のようなマイナスイメージを背負わされ、悪者になってしまった。
ラベリングの戦いに敗れてしまった。
医療関係者がこれしかないだろう、として鋭意進めてきた制度である。
そんなに簡単に制度設計を変えることは出来ない。
まして、後期高齢者医療制度を廃止して以前の制度に戻るこなど出来ない。
保険運営主体の統合、年齢区分の見直し、現役世代の負担と当該受給世代の負担のあり方の見直しなどなど改善していかなければならないことは多々あるだろうが、いきなりすべてを白紙にする、などということはあり得ない。
この問題については、私は、かねてより、党利党略を離れ、医療関係者や地方自治体等の保険の運用主体等の専門家の協議に委ね、国民的な合意を得て、より持続可能な安定的かつ総合的な制度を構築すべきである、と考えてきた。
門外漢であり、間違っていることもあろうが、あえて私の見解を述べよ、というコメントが寄せられたので、私の理解する範囲で私の意見を述べさせていただいた。
ご批判を頂ければ幸いである。