自民党の中で激しく議論してきたが、議論のリード役、まとめ役が不在で成案が得られないままになっている。
この問題については、私が一番のはまり役だと思っていたが、ついに出番がなかった。
自民党の中でのこれまでの議論を踏まえないで、弁護士会の意見書だけを下敷きにして人権救済機関構想を語るのは危険だ。
国際人権が独り歩きしても困る。
我が国に相応しい新しい人権救済機関をどうやって構築するか、今の内から議論を積み重ねておいた方がいい。
法務省は法務局を昇格させる、という発想に傾きがちだが、こういう問題は既存の制度や組織の存在はいったん捨象して考えた方がいい。
9月1日から内閣府に消費者庁と消費者委員会が発足するのだから、内閣府に人権庁と人権委員会があってもおかしくない。
この場合、どうやって行政の肥大化を防ぐか、という観点からあまりに重装備の組織にしない方がいい。
すでに様々な人権救済機関が設置され、現実に機能していることを踏まえ、それをそのまま受け入れることとし、隙間部分に対処できる、融通無碍、伸縮自在の特別・人権救済チームを設ける、という程度なら。それでもいい。
民主党はこういう制度の検討が苦手らしく、すぐ誰かの受け売りをしてしまう。
私の見るところ、人材の層がペラペラで薄い。
本当には、安心できない。
これまでは反対のための反対で済んだから、どんなずさんな提案でも民主党の対案として受け入れられた(他人のチェックがない)が、衆議院選挙が終わったらそういう無責任は許されなくなるだろう。
公党を侮蔑している、と怒られるかも知れないが、本当の意味では民主党にはまだ政権担当能力はない。
それでも民主党に任せてみようというのが世論だから、仕方がない。
国民に実害が出ないように、皆さんで十分議論をしておいていただきたい。
私は、民主党の人たちよりも皆さんを信頼する。