ようやく自民党の総務部会で定額給付金についての議論をする機会を得た。
既に衆議院では1月13日に第二次補正予算案を可決し、審議の舞台は参議院に移っているが、関連法案の再議決が必要になったときに納得の出来る制度になっていてもらわないと困る。
あれだけ評判の悪かった定額給付金だが、マスコミの関心が消費税問題に移っていることもあって、最近は一日も早く定額給付金事業をやるべきだ、という声のほうが大きくなっているようだ。
担当の総務省に対しても当初は抗議や苦情の長い電話が多かったようだが、最近は激励の短い電話が多くなった、ということのようであり、如何に世論が移ろいやすいものかを痛感する。
今日は定額給付金に関する地域の取組みが紹介された。
長崎県の佐世保市では、定額給付金の支給時期にあわせて、10パーセントのプレミアム付き商品券を商工関係団体が発行する方向で準備しているとのことで、6000億円の地方特例交付金の活用とあわせて、定額給付金事業及び付帯事業を地方再生戦略の中に位置づけようとする動きが出てきている。
大阪府の箕面市では、市民からアイデアを募集したうえで、定額給付金を受給した市民から寄付を募り、箕面駅から箕面大滝に続く滝道のライトアップや箕面山を彩る植樹等に活用する考えを市長が表明している、ということも報告された。
総務省から定額給付金事業の概要が示されたが、予算委員会等で鳩山邦夫大臣から説明されていることなどを考慮すると、相当柔軟な制度設計になるようである。
出席議員からは、定額給付金の名称を変更できないのか、3月までに支給を終えるべきである、定額給付金の受領を辞退する方から市町村が寄付を受けやすいようにするために、市町村で寄付事業を明示し、そのための寄付金受け入れ銀行口座を開設して、これを寄付金の送金先口座として指定することもできる、といった柔軟な方策にしてはどうか、といった意見が開陳された。
鳩山大臣は、定額給付金は、ニコニコ受け取ってどんどん使いましょう、と訴えているようで、省内では「にこ給付金」と呼んでいるようである。
それなら、いっそこの給付金は「にこにこ給付金」と呼びならわしては如何か、というのが私の提案である。
議員の発言の最後は、実は私の発言である。
辞退した給付金を不要金として国庫に返還させる必要はない。
市町村がもっと自由に使えるようにした方がいい。
幸い特定の法律に基づいた補助事業ではないのだから、補助要綱の工夫で対処できるのではないか。
大阪府の箕面市のように、この際、市町村への寄付を推進しては如何か。
日本でも寄付文化を定着させる必要がある。
定額給付金の口座を第三者名義口座にすると本人確認等で難しい問題が起こりうるので、ご提言の趣旨も踏まえて、寄付金の申請代行、受取代行が出来るような工夫も考えたい、との答弁であった。
まだ補助要綱は確定していないようだが、予算委員会での質疑や今日の党内での議論、さらには世論の動向等を踏まえて、さらに周到な工夫が凝らされるようである。
経済効果を疑問視し、天下の愚策である、と批判する向きがある。
しかし、市町村や地元の商工会、商店会が上述したように色々知恵を絞り、定額給付金を地域の再生に役立ててさえしてくれれば、私はそんなに批判されるような悪い制度だとは思わない。
まずは、仕上げをご覧あれ。