やはりいつもの土曜日と変わらない。
相変わらず大勢の人が往来している。
ただ、先週よりも皆、着膨れしている。
いつもより厚手の装いをして、外出する。
これで防寒は十分だ。
寒いときは、寒いなりの備えをする。
当然のことだ。
しかし、それが出来る、ということは、それだけ日本人には危機に備える底力がある、という証拠ではないか。
確かに厳しい世の中である。
これから先ますます厳しくなるだろうが、しかし、私たちは十分これに耐えることが出来る。
私には、そう思える。
14年前の阪神淡路大地震がそうだった。
壊滅的な被害を受けたと言われていた神戸が、見事に復興を果たしている。
広島もそうだ。
75年間草木も生えないだろうと言われた広島市が、見事に原爆の被害から立ち直った。
実は、東京もそうだ。
昭和20年3月10日の東京大空襲で10万人以上の方々が亡くなった。
空襲による焼夷弾爆撃で都内のあちこちで火災が発生し、まさに都内は灰燼に帰した。
それでも、東京は今日の繁栄を享受している。
アジアやアフリカの国々では、何年経っても殆ど変わらない都市が多いのに、日本はどんな危機をも克服して、今日の繁栄を築いてきた。
日本の底力は、相当なものだ。
今、日本が、そして世界が直面している経済危機も必ず乗り切ることが出来る。
そう、私は確信している。
どこから、そんな力が湧き上がってくるのか。
家貧しくして、孝子出ず。
日本が貧しくなったときに、必ずその窮状を救う政治家や経済人が現れる。
信仰みたいなものだが、それなりの根拠はある。
日本人の教育水準は、高い。
識字率100パーセント。
高等学校への進学率が95パーセントを超える、というのは驚異的だ。
電車に乗ると、座席に座っている人が全員、新聞や本を読みふけっている、という姿を見ることもある。
勿論,全員が携帯電話に見入っている、という場面も見たことがある。
これらの人たちが新しい技術の開発や新しいサービスの展開に一斉に乗り出せば、それぞれの分野で日本は世界最高の水準にまで達することが出来るかも知れない。
既に日本の金融市場は、大胆な改革を成し遂げている。
世界で最も信頼のできる株式市場は日本にある、ということが分かれば、日本が世界の金融マーケットの中心になることもありうる。
日本人は基本的に争いを好まない国民性である。
国内に人種的、宗教的、言語的な激しい対立要因が少ない日本は、世界でも最も安全な国であり、最も安心の出来るインフラが整った国である。
国内に人種や宗教等の激しい対立要因を抱え、貧富の格差が激しいアメリカや、少数民族問題、内陸部と沿岸部との経済格差を抱えている中国、さらには厳しい民族問題、宗教問題を抱えているロシアよりも、日本の方が国際社会の安定と平和に貢献できる要素を遥かに多く持っている。
言葉の壁は厳然として立ちはだかっているが、若い方々はこれを乗り越えることが出来るはずだ。
私は、若い世代の方々のますますの飛躍と、これを支える日本の底力を信じている。