今日は何日だったか、と新聞を見た。
土曜も日曜、祭日もない日々を過ごしていると、時々曜日を忘れ、日にちを間違える。
1月17日。
14年前に阪神淡路大震災が起きたその日である。
新聞の記事は小さい。
よく読まないと、今日がその日だということが分からない。
しかし、朝日の2面は違う。
あの当時の悲劇から見事に復興を遂げた、と思っていたが、「被災地遅う不況の風」「震災の時よりひどい有り様や」という見出しと、「神戸市役所前の東遊園地では、炊き出しに連日約300人が並んだ」という解説を付した写真が掲載されている。
寒風の中でまだ多くの人が住まいもなく、炊き出しを求めるほどに困窮しているのか、と思わせる報道ぶりだ。
どうも他紙の報道と雰囲気が違う。
この300人はどういう人たちか。
1月に入って大手の企業が深刻な売り上げ不振で生産を縮小し始めている、という記事が増えてきた。
しかし、その一方で介護の現場ではいくら募集をかけても人が集まらないで困っている、という話も聞く。
さいたま市長の相川氏は、新年の挨拶で、臨時職員を100人採用することにしたが、余り応募がない。
実際のニーズにあった雇用対策、景気対策を講じなければならない、とも話していた。
マスコミの報道ぶりと、現場で受ける実感が微妙に違う。
市役所や商工会で特別融資や生活支援の相談窓口を開設しているが、利用者はそれほど多くないようだ。
案外現在の日本には体力があるのかも知れない。
マスコミの報道に踊らされることなく、実際を見る。
そうすることで、はじめて本当に必要な対策を講じることが出来る。
そういうことか。
今日が1月17日だということを感じさせないような、平穏な日々を、少なくとも私の周りの人は送っているようである。
さて、今朝の駅頭では、皆さんどんな顔をされているだろうか。