待ったなしの日本の財政再建/さて、なにから手を付けるか | 早川忠孝の一念発起・日々新たなり 通称「早川学校」

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弁護士・元衆議院議員としてあらゆる社会事象について思いの丈を披歴しております。若い方々の羅針盤の一つにでもなればいいと思っておりましたが、もう一歩踏み出すことにしました。新しい世界を作るために、若い人たちとの競争に参加します。猪突猛進、暴走ゴメン。

おはようございます。


今日は、30兆円の赤字解消策について、問題提起をいたします。


30兆円を3分割し、歳出削減で10兆円、歳入拡大で10兆円、その他で10兆円という風に大まかな目標を立てます。

何故30兆円と言うのか。

実は小泉総理の時代に赤字国債の発行額を30兆円以内にする、という目標が掲げられていたからです。

この30兆円の目標を何年間で達成するか、が課題でした。

5年間で達成するとすれば、毎年2兆円ということになります。


1年間で10兆円の歳出削減は無理でも、2兆円ならなんとかなるか、そんな気がしてきます。


1年間で10兆円の歳入拡大は不可能でも、2兆円程度ならなんとかなりはしないか。

そんな期待感が生まれます。

残りの10兆円については、資産の売却や特別会計からの繰り入れでなんとかならないか。

そんな風に計算して財政再建のための構造改革が構想されたのではないでしょうか。


小泉内閣から安倍内閣、そして現在の福田内閣は、この構造改革路線を忠実に歩んでおります。


さすがに5年ではちょっと無理かな、ということで、概ね10年で目標を達成しよう。

そういうことにしたのでしょう。

小泉内閣では、2010年代初頭にプライマリーバランスを回復する、という目標を立てました。

2010年代の初頭には、借金の返済分を除いて、1年間の収入でその1年間の支出が賄えるようにしよう、ということです。


つまり、赤字国債の発行をゼロにする、というのではなく、赤字国債のうち、既存の国債の利払いに宛てるための国債発行は継続するが、それ以外の支出に当てるために借金をすることは止めよう、という目標です。


まず、歳出の削減については、公共事業費を毎年3パーセント削減してきました。

公務員の定数を削減し、公務員の給与を見直ししてきました。

増える一方の社会保障費については、5年間で1兆1000億円、毎年2200億円減額する、という目標を忠実に履行してきました。

地方公共団体に対する補助金、国庫負担金を大幅に削減もしてきました。


すべては、国の財政再建のためです。


次に、歳入の拡大については、まず課税対象となる企業や個人の所得の拡大が必要であると考え、経済の拡大、企業への振興策を優先してきました。

民間で出来ることは民間へ、地方で出来ることは地方で、というスローガンは、まさに国の財政再建のための構造改革を見事に言い表しておりました。

アメリカや中国の経済の拡大に連動し、奇跡的に日本の経済も復調し、国の歳入も拡大しました。


国の資産の売却も進んできました。

特別会計から一般会計に余剰金を繰り入れ、国の財政再建に一定の貢献をさせました。

特別会計の見直しや、特殊法人改革、公務員制度改革、都心部にある国家公務員住宅の売却等々は、すべてこの大きな流れの中にあることです。


こうして、毎年の赤字国債の発行を減らしていく、という目標は少しずつ実現しております。

概ね25兆円になりました。


まだ25兆円も赤字国債を発行しなければ日本の財政が維持できないのか、と溜め息が出ますが、よく考えると、5兆円の健全化が実現できたことは、まずまずの成果です。

25兆円の赤字国債の中身を考えるといいと思います。

25兆円の内、利払いのための資金獲得のための国債発行が15兆円程度、社会保障費の不足を補うための国債発行が10兆円程度、そんな風に簡単に考えればいいと思います。


2010年代の初頭にプライマリーバランスを回復する、という当初の目標が現在は、2011年にプライマリーバランスを回復する、という目標に切り替わりました。

つまり、利払い分を除いた10兆円をこれから2011年までの3年間でどうやって削減するか。


これが、現時点での具体的目標ということになるのです。


さて、この10兆円をどうやって捻出するか。

雑巾を絞るように様々な財政支出の削減策を講じてきておりますが、それでもいわゆる無駄遣いが発覚しております。

これまで皆が口を噤んできた無駄遣いを徹底的に抉り出し、これを止めさせる。

これまで漫然と進めてきた国の政策を棚卸しし、役割を終えた事業は全て廃止し、組織の整理統合を図る。

そして、処分できる財産は全て売却する。


道路特定財源のように使途が特定、限定されてきた特別会計を徹底的に見直し、基本的に特別会計を廃止し、特定財源を一般財源化する。


概ねこのような作業をこれから進めることになります。

そして、これ以上は出来ることがない、ということが明らかになれば、最後の手段として、国民の皆さんに負担をお願いすることになります。


つまり、税負担の増額、増税です。


ここで留意しなければならないのは、経済の拡大発展にマイナスとなるような増税はすべきでない、ということです。

経済を拡大し、法人や個人の所得が拡大した結果税金収入が増える。

そういう自然の姿がもっとも望ましい形です。

単純な消費税論議が出来ないのは、日本の経済の先行きに不透明感が漂っているからですが、景気中立型の

増税手段としては消費税は有力な手段です。


社会保障費の財源を確保するために新たな国民負担を求める、という関係が明確になれば、国民のみんなで社会保障制度を支える、という趣旨からは消費税が一番適している、そういう議論になるのではないでしょうか。

そういう意味で、消費税の増税は必然の流れです。

ただし、一律の増税はできません。

生活必需品に対する消費税は据置き、あるいは減税措置を導入し、社会的弱者に対する十分な配慮をしていかなければなりません。


この流れを変えることは出来ないと思います。


さて、問題はその先にあります。

プライマリーバランスを回復する、という目標は達成した。

そのとき、日本の借金の残高はいくらになっているか。

その借金はいつ、誰が、どうやって返すのか。


私が頭を悩ましているのは、この問題です。



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