失って知るものの大きさ/失速した憲法改正論議を再燃させる方策 | 早川忠孝の一念発起・日々新たなり 通称「早川学校」

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弁護士・元衆議院議員としてあらゆる社会事象について思いの丈を披歴しております。若い方々の羅針盤の一つにでもなればいいと思っておりましたが、もう一歩踏み出すことにしました。新しい世界を作るために、若い人たちとの競争に参加します。猪突猛進、暴走ゴメン。

衆議院第一議員会館で開催された新憲法制定議員同盟の定例勉強会に出席して会館事務所に戻ってきたところである。


今日は、朝日新聞の根本清樹政治エディター(いわゆる政治部長)と毎日新聞の小松浩政治部長のお話を伺った。


安倍内閣の当時と較べて、憲法改正について国民世論が冷めている、との世論調査の結果が報告された。

政治のリーダーが憲法について語らないから、マスコミも書かないし、世論も沸き起こらない、ということである。


さもありなん。確かにそのとおり。

昨年の参議院選挙で与党が大きく議席を失った結果、もはや与党が憲法改正をリードしうる状況ではない。

衆議院と参議院の両院で3分の2以上の賛成が得られなければ、憲法改正など出来ないのだから、今の捩れ状況の中で、本気で憲法改正に取り組む政治家などごく僅かである。


今日の会合には中曽根康弘元総理が会長として出席されており、OBの国会議員の顔も何人か見かけたが、現役の国会議員が余りにも少ない。


朝日や毎日の政治部長の話は、要するに、あなたたちにリーダーシップがないから、あなたたちがリーダーの位置に座っていないから、世論が盛り上がらない、と言っているに等しい。


それにしても、返す返すも残念である。

去年の参議院選挙で大敗しなければ、今頃は、真面目に憲法問題に取り組むことが出来たのに。

失ったものの大きさを、改めて噛み締めている。


胃がきりりと痛むような思いである。

去年の通常国会で国民投票法を成立させたが、もう少し我慢して、なんとしても民主党を共同修正提案者にすべきだったかな、と思っている。


99パーセント実務者レベルでほぼ合意したものを、小沢一郎民主党代表の、「絶対に自民党が呑めないような対案を作れ」、という鶴の一声でひっくり返されてしまった。

それまで積み上げてきた共同修正のための協議が反故になり、与野党間のパイプもずたずたに切り裂かれてしまった。


失ってしまったものは、やはり余りにも大きい。


私は、我々はまだ本当の意味では、自分たちの手で自分たちの憲法を作ったことがない、と思っている。

明治憲法は天皇の欽定憲法。

現在の日本国憲法は、いわばGHQ、マッカーサーから与えられた占領国欽定憲法。

現憲法制定60年の節目を迎えて、自分たちの手で、新しい時代に相応しい新しい憲法を創る、という大きなチャンスが目の前にぶら下がっていたのに、そのチャンスを取り逃がしてしまった。


壮大な試みが、ほぼ潰え去ってしまった。

本当に残念である。


さて、どうするか。

しかし、ここで諦めるわけにはいかない。

今は、確かにピンチである。

しかし、このピンチを新たなチャンスに変えればいいではないか。

私は、そう思っている。


衆議院と参議院の捩れを速やかに解消しなければ、国政が停滞する。

国政の停滞を克服するためには、国民の立場に立って、衆議院と参議院の在り方を見直し、国会改革を進めていかなければならない。

さらに、これまでの中央集権型の統治システムがもはや維持できなくなっていることは、明らかだ。

そのために、徹底的な地方分権を実行し、その一環として都道府県を廃止して道州制を導入することが求められてくる。


日本の統治システムの大改革が、まさに焦眉の急になってきている。

党派を超えて取り組むべき大事な課題が山積している。


今は、誰かが、なんとかしてくれる、という時代ではない。

国民が、自分たちの責任で、自分たちの歩むべき道筋を選択しなければならない時代になっている。

国民が、日本の歩むべき道を選ぶ。

そうでなければならない。


それでは、どうしたら良いのか。

国民投票である。

残された道は、国民投票制度を実現するしかない。

私は、そう思っている。


国の大事な進路を決めるための国民投票制度を実現する運動を始めることが、憲法改正のための新たな潮流を作り出す第一歩であろう。

そう、今、気付いた。



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