ちょっと心配になってきた。
さすがの福田総理も疲れが出てきたのだろう。
衆議院の本会議での言葉に、はりが見えない。
これだけ言っているのに、何で分かってくれないんだ。
そんな雰囲気が漂ってきた。
人は説得することを諦めると、自分で言いたいこと、あるいは言わなければならない最小限のことだけを言って済ませようとする。
自然と紋切り口調となり、早口で、声が小さくなる。
これはいけない。
胸を張って、大きく息を吸い込み、自信をもってものを言わなければならない。
気を漲らせ、一つ一つの言葉に命を与えなければならない。
毀誉褒貶は、人の世の常。
今福田総理が進めようとしていることは、これまで誰も本格的には手を付けられなかったことばかり。
これからが正念場である。
これからが本当の力業が必要な時代だ。
どんなに貶されようとも、福田総理が国民に示した改革の方向性は正しい。
正しいことは、いずれ分かる。
人はいずれ、正しくないことよりも正しいことに寄り添ってくるものである。
元気を取り戻し、勇気を持って新しい世界に向かって突き進め。
そのための知恵は、たっぷりと持ち合わせているはずだ。
そう福田総理にエールを送りたい。
公務員制度の改革がどんなに難しいことかは、その当事者の立場に立てば分かるはずだ。
一人一人の公務員の生活がかかっている。
その公務員の再就職の道を大きく狭めようとする大改革を、福田総理は始めようとしている。
だから、皆本音では嫌がっている。
やらなければならない大手術ではあるが、できるだけ先延ばししたい。
そんな空気が充満している。
しかし、嫌々ながらではとても成功するようなことではない。
渡辺大臣一人がどんなに気張ってみても、突破できるような簡単なものではない。
本当は民主党の良識が気が付くべきだ。
本当に改革を進めるなら、今が絶好のチャンスだ、ということを。
改革へのベクトルが同じ方向に向きさえすれば、ぐんぐん改革が加速する。
簡単なことだ。
民主党が改革に舵を切ればいいのだ。
今は、改革を進めようとする福田総理の足を引っ張ろうとする力が強い。
真後ろに引っ張る力、右へ引っ張る力、左に引っ張る力が互いに相手の力を相殺している。
これではどうにも動きようが無いではないか。
社会保障制度の改革、道路整備事業の改革、公務員制度の改革など、いずれは避けて通れない課題が山積している。
日本の再生のために必要な改革を本当に志向するのであれば、なぜこの好期をみすみす見逃すようなことをするのだろうか。
もったいない、という言葉は、こんな時にも使える言葉だ。