君たちも私と同じ年になったら分かるよ。俺は65歳だよ。
選挙だったら無理を押してどこにでも出るけど。分かるでしょ、ウフッフッフ、フッ。
スイスのダボス会議への出席について二転三転して結局出席しないことにした民主党の小沢一郎氏に対して批判がましい質問を繰り返す記者団に対する小沢氏の答えが、これである。
実に、今の政治状況を見切っている。
自分の役割は、次の衆議院選挙まで。
政権を担う、などということは、さらさら考えていない、ということがこの一言で明らかだ。
そろそろ自分の役割と身体的能力が尽きる日が近いことを自覚した、政治家の諦念がそこに漂っている。
俺は、そんなことはもうどうでもいいんだ。
批判したければ、勝手に批判していろ。
俺は自分の出来ること、やらなければならないことをやるだけだ。
それが嫌なら、離党すればいいじゃないか。
それとも、俺を辞めさせるのかい。
それだけの器量が、あんたにあるのか。
小沢氏は、常に懐に刃(ドス)を呑んでいるようだ。
刺し違える覚悟をしている。
そう見なければ、これまでの小沢氏の言動が理解できない。
「やるんだったら、最後まで徹底しなきゃ。」
自民党はむちゃくちゃだ、と訥々と語る小沢氏の心境は、こんなものだろう。
結局、昨日の衆議院本会議は平穏に開催された。
補正予算は、与党の賛成のみで原案どおり可決。
地方交付税法の改正等は、民主党の修正要求を受け入れ修正案を、与党と民主党の賛成で可決。
これじゃ、身体を張ってでもつなぎ法案の提出を阻止する、今日は肉弾戦だ、などと勢い込んでいた民主党の若手は、すっかり気勢がそがれてしまったことだろう。
もっとも、本会議が終わって議員会館の部屋に戻った民主党議員にはなんの緊張感もなかった。
帰り際にエレベーターで乗り合わせた民主党の人は、ニコニコと笑いながら同僚と談笑していた。
誰も本気にはしていなかったのかも知れない。
いつものことだから。
そんな雰囲気が漂っている。
まだ連絡が来ないが、おそらく昨日の本会議が終わった後でつなぎ法案が衆議院に提出され、今朝議院運営委員会が開催されて、急遽本会議の開催、ということになるのだろう。
まるで能の舞台のようである。
見事に手順を踏んで、与野党の対決劇を演じている。
スピード感がなく、しかもなんのハプニングもない、退屈な舞台。
役者の発する台詞が耳慣れず、その意味がなかなか伝わってこない一般の観客には、こんなつまらない舞台はないだろう。
テレビの映像を通じて、与野党の幹事長会談、国対委員長会談、議長の話合い斡旋、そしてそれぞれの党内での協議の模様などが、順次報道されている。
ああ、今はこの段階だ。
次は、こうなる。
そして結局は、話合い決裂で、野党は審議拒否。
打開のための話合いを再度繰り返し、最後は、与党のみでの、つなぎ法案の採決。
これに抗議して野党は全ての委員会での審議を拒否する。
そして、今日の本会議終了後、予定通り国会の審議が空転する。
国会の再開については、今週と来週の金、土、日のマスコミの報道振り、いわゆる世論の動向を見て決める。
まずは、そんなシナリオだ。
とても息を呑むようなドラマには、ならない。
とても西部劇のような活劇には、なりようがない。
しかし、これは能の舞台なんだ。
皆、能を舞っているんだ、と分かれば、それはそれで楽しめる。
役者の一挙手一投足に大事なメッセージが籠められているのが分かるようになると、能の舞台の楽しみ方が見えてくる。
(ホントかな。)
さて、皆さんは、このまどろっこしい舞台に、いつまでお付合いしていただけますか。
私のような仕事人間には、とても耐えられない、退屈で、無駄な時間を過ごしているように思えて仕方ありませんが。
フフッ、フフッ、フ、フ。
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