昨日、臨時国会が閉会。
波乱と激動の、と大層な冠をつけようとしたが、それにしては余りにも和やかな雰囲気が横溢している。
淡々と臨時国会の幕を閉じ、2日置いて新たな幕を開ける。
いよいよこれからが本番、というものの、執行部の間にそのことによる特別の緊張感が高まっている訳ではない。
河野衆議院議長から国会閉会に当たっての恒例の挨拶があった。
「諸君、2日間という僅かな休会中であるが、健康に留意され、英気を養い来るべき通常国会に備えられたい。」
そう言われても、ただただ失笑と苦笑が拡がるのみ。
かえって、「議長、お誕生日おめでとうございます。」
そう呼ばわる声が議場に轟く。
とても決戦前夜の雰囲気ではない。
通常国会に提出する所得税法等の一部を改正する法律案についての審議が財務金融部会で行われた。
「臨時国会の審議状況を見ると、予算関連法案の年度内成立はなかなか困難である。
野党が審議の引き延ばしを策し、ガソリン税の特例措置が失効してしまう、ということも想定して通常国会に臨むべきではないか。
万一に備えて、平成20年度以降の歳入を確保するための、租税特別措置法に基づく揮発油税、石油取引税等に係る特例措置を平成29年まで延長する臨時特別措置法を議員立法で提案することを検討しては如何か。」
私がそのように発言しても、部会の雛壇に座っている幹部の間には動揺が見られない。
想定の範囲内ということか。
既にそのための対策は、着々と進んでいるということか。
「大変大事な問題だと認識しております。ご意見として承っておきます。」
田中部会長は、私の発言をそう引き取って、質疑を続けていた。
自民党は、実に懐の深い政党である。
これまで何度も危機に遭遇してきたが、その都度見事に危機を乗り越えてきた。
十分その学習効果が上がっているようだ。
私は、現在の自民党執行部は、これから迫り来る危機に十分対処しうる力を既に蓄えた、と見ている。
これから暫くの間は凪(なぎ)が続くはずである。