小沢一郎氏が、参議院選挙で過半数の議席を獲得できなければ、政界から引退するとの意向を示したという。
本当なら嬉しい。
小沢氏の熱狂的な支持者も多数おられるが、私は、小沢氏が総理大臣に就任する可能性は皆無であると思っている。
小沢氏は、あくまで破壊者であり、統治者とは異質の存在である。
新しくものを創る創造力や強靭な体力の持ち主でもない。
人を怯ませるような不気味さは持っているが、人を虜にするようなカリスマ性まではない。
なぜ小沢氏に強烈なフアンがいるのか、私にはその魅力が分からない。
少なくとも小沢氏の生き方と私の生き方は違う。
小沢氏は、現在の政治システムの破壊に命を懸けているように見えるが、案外飽きっぽいようだ。
自分の思い通りにならないと、簡単に放り投げる。
他人にも厳しそうだ。
偽メール事件で窮地に陥った民主党の前原執行部にまったく手を差し延べようとしなかった。
非情なくらいだ。
小沢氏は、医者から午後は休息を取るよう言われている、と言って、衆議院の本会議や民主党の役員会議を欠席し、その間一切外からの連絡ができない政治家だとも聞いている。
一日のうちに北京やソウルを往来するとか、アメリカに滞在する時間は数時間で、その足で、中近東諸国を歴訪するなどという、安倍総理が経験したような強行日程に、小沢氏が耐えられる筈は無い。
そういう政治家に日本の国政を担ってもらわなければならない,というのでは、余りにも情けない。
それでもマスコミは政権交代の世論を煽ろうとしている。
それだけ小沢氏には破壊力がある証拠だろう。
私は、小沢氏が引退してくれれば、理想的な政界再編が進むと予想している。
だから、小沢氏が本当に引退してくれるのであれば、こんな嬉しいことはない。
世間一般では、60歳を定年としている。
私もそうだが、どんなに頑張っても、若い人のような俊敏さは期待できない。
勿論、中曽根元総理のような例外はある。
しかし、普通の人は、職場を離れてしまえば、あっという間に老け込んでしまう。
小沢氏は、私の見るところ、普通の人である。
狭心症の発作で入院したことがあるとすれば、あまり無理が利く身体ではない。
そんな政治家に、この変化が激しく、課題が山積している国政を委ねる気には、毛頭なれない。
私の家族は、あまり他人の病気のことは取り上げないほうが良い、とアドバイスしてくれたが、選挙が近づくと自然と気持が昂ぶってくる。
つい、言わずもがなのことを書いてしまった。
安倍総理や自民党の執行部は、もっと言いたいだろうが、じっと我慢して黙っている。
さすがにたいしたものだ。