1年前のことが、今は国民の記憶に残っていないようだ。
北朝鮮が、テポドン2号をはじめ7発もの弾道ミサイルを発射したのは、昨年の7月5日であった。
北朝鮮が、地下核実験を実施したことを公式に表明したのは、昨年の10月のことである。
その後、何も変わっていない。
現在でも、ノドンミサイル200発が日本列島に向けて発射体制下にあると噂されている。
なぜ,マスコミも国民もこのことに恐れを抱かないのだろう。
嫌なこと見たくないことには目を瞑っていれば良い、という国民の習性が、現存する危機の存在を忘れさせるのだろうか。
六ヶ国協議に基づいてアメリカと北朝鮮の間で協議が行われ、バンコ・デルタ・マカオの銀行口座凍結問題は一応の決着がついたと報道されているが、これで北朝鮮の核開発放棄への道筋が開かれたわけでもない。
一般の国民も、マスコミも誤解しているようだ。
日本の危機は、どこかに飛んでいって無くなったわけでは、決してない。
昨日のテレビ討論番組では、赤城大臣の事務所費問題が取り上げられ、野党の党首から赤城大臣の辞任要求が相次いであったという。
マスコミがこんな瑣末なことを大げさに取り上げ、喫緊の大事な課題から国民の目を逸らしてしまうのは、残念でならない。
北朝鮮に拉致された横田めぐみさん等の拉致被害者の救出の目処は、依然として立っていない。
わが国の国民は、極く一部の人を除いて、30年間、拉致被害者の家族に対しなんらの手を差し延べることなく過ごしてきた。
永田町や駅の街頭で横田ご夫妻が如何に訴えても、多くの人は訝しげな顔で通り過ぎるだけだった。
勿論、他人の痛みを自分の痛みのように感じることは、出来ない。
しかし、私たちは、今自分たちが何を出来るか、胸に手を置いて考ええるときである。
マスコミは参議院選挙を目前にして拉致問題から国民の関心を逸らそうとしているように思う。
拉致問題が、かつてのように大きく紙面を賑わすこともなくなった。その落差の大きさには驚いてしまう。
首相補佐官の中山恭子氏が参議院選挙の候補者になったからでろうか。
それとも、拉致問題を大きく取り上げると、安倍総理の拉致問題への取り組みを評価する結果になるからであろうか。
政権の足を引っ張ることが、マスコミの役割ではないはずである。
小事に捉われ大事を見失うことのないよう、くれぐれもお願いしたい。