今日の閣議でいくつかの重要な法案が承認された。いずれも私が関係してきた法案である。
一番の目玉は、犯罪の被害者や遺族が刑事裁判の公判廷に出席して、被告人や情状証人に対して直接質問などができる「被害者参加制度」を創設する刑事訴訟法の改正案である。被害者が刑事裁判に併せて被告人に対して損害賠償請求ができる「付帯私訴制度」の導入も法案には盛り込まれている。
ここまでの大改革に結実するとは予想もしていなかった。
上川陽子犯罪被害者対策プロジェクトチーム座長と共に、犯罪被害者基本法の制定やこれに基づく犯罪被害者基本計画の策定に携わってきた担当者として、これだけの大変革の進行を目の当たりにできるのは、嬉しい。
今日の閣議では、自動車運転過失致死傷罪という新たな罪種を新設し、法定刑を引き上げる刑法改正案も決定された。四輪車以上に適用されてきた危険運転致死傷罪の対象を、二輪車に拡大することも法案に盛り込まれている。
昨年12月、飲酒運転根絶プロジェクトチーム事務局長として取りまとめた提言を受けた改正である。
さらに、社会保険庁の年金運営部門を非公務員型の「日本年金機構」に改組する社会保険庁改革関連法案や、不正会計に関わった公認会計士や監査法人に対する課徴金制度を創設し、事案に応じた行政処分ができるようにする公認会計士法改正案、手形に変わって売掛債権等をインターネット上で取り引きできるようにする電子記録債権法案も今日の閣議で決定された。
所管委員会は異なるが、いずれも法律専門家の関与を必要とする重要法案である。
野党の議員は、どんなに優秀な議員であっても、本当に必要とされるこういった重要法案の立案作業に加わることはできない。
与党の議員は、料理を作る人。
野党の議員は出された料理を目の前にして、あれが足りない、これが足りない、何か別の料理を出せ、などとケチをつける人。
現在の国会審議の状況を見ると、そんな気がしてならない。