3月31日
とりあえず、妹に迎えに来てもらって兵庫県に前乗りした。✡️が空に大きく浮かんでいた。千代丸もお供しますの言葉通りついてきた。
直後、滋賀で不要不急の外出自粛要請が出た。
兵庫県で感染者が出ているのは、私の故郷がある、いわゆる阪神地域。淡路島はその時は0人だった。
相談して、納骨の式には出席せず、式が終わったあたりに、住職さんにも会わない様にひっそり行く事にした。
狐男子との対決に動きがあった。
ラケットの網をボールが突き破り、床に落ちそうになった。私は慌ててそれをキャッチした。
手のひらでボールは回転し続け、集中しないと落ちそうになる。
すると、狐男子はこう言った。
『早く落とした方がいい。手遅れになる。俺っちの言う事が聞けないの?』
「俺っち??そんな言い方するって、あなた、まさか鬼なの?」
すると、手のひらからボールが落ちて床に転がった。
私が動揺していると、狐男子はにっこり笑って消えていった。
狐男子が元々鬼だったのか、鬼が狐男子に化けたのか
それはわからない。とりあえず、この勝負に私は負けたのだ。
◇
4月1日
出発する時の空は曇りだった。
とりあえず、淡路島へ向かう事にした。食事もいつもならSAでとるけれど、今回は一切何処にも寄らず食事も車内で済ます事にした。
走りはじめると雨が降りだした。風も強い。
明石海峡大橋を渡りはじめると、左側に巨大な昆布妖怪みたいなのが視えはじめた。
でかすぎて、思わず絶句する。
すると、声が聞こえた。
『変わり果てた姿』
変わり果てた?
まさか、オトンがこんな姿になったとか?
そうだったら、どうしよう………
視える景色の理由をどうしても悪い方にしか考えられずに、必死で波長を合わせた。
空には✡️が視えた、千代丸がその✡️をその昆布妖怪へ渡そうとし始めていた。
『人間のせいでこうなった。』
『来てくれて有り難う。助けに来てくれて有り難う。』
人間のせい?
意味がわからないけれど、なんかお礼言われてるし
だ、だ、大丈夫ですよねー!!!( ;∀;)
とりあえず、よくわからないまま、オトンのお墓に向かった。
式は終わっていて、誰も居なかった。
桜も葉桜で残念だったけれど、まぁ来年桜の土となったオトンの桜を見ないといけないね。生きないといけないねと、目標は出来た。
暫くは来れないけど、また来るからねと言って
お墓をあとにした。
◇
帰りは更に豪雨になった。
いつもなら淡路島の東側に出て、買い物して帰るのがお決まりだったけど、今は外へ出るのもよくないし、初めて西側からそのまま帰宅する事にした。
すると、目の前に仏様が視えはじめた。
✡️もあって、共に金色に輝きはじめた、その仏様があまりに眩いので思わず拝んだ。
あぁ、昆布さんは仏様だったの?
とりあえずめちゃくちゃでかいやん。。。
人生で色々みてきたけど、ここまででかい存在はあまり見たことないかも。。。
すると、その仏様がビームしはじめた。
さながら、ウルトラマンだ。
(こんな話誰が信じるんや……)
あの存在は何をしてるんだ。。
まさか、破壊神とか??私、とんでもない事してないよね………
とりあえず、ビーム撃ってるのをただ見守った。
そして、帰路についた。
4月2日
朝起きると、某大学クラスター絡みで
島で初のコロナのニュースが流れていた。
初って、過敏になるものだと思う。
住職さんは断れない。でも本土から来たと知ると不安にさせてしまったはず。
やはり、人と会わない様に行って良かったと思った。
そもそも行くのが間違いという事は否めないけど。
妹からLINEが届いた。
これを見た瞬間、全ての謎が解けた。
あの存在はこの観音様だったのだ。
これは昔からある建造物じゃない。個人が建てた観音様で、歴史も何もない。
ただ当時は大人気で私も何回も行ったものだ。オトンもこの観音様の傍の東浦海岸でで釣りをするのが大好きだった。
その建てた方が亡くなってからは廃墟となり、台風で穴があき、最近は飛び降り自殺まであった。
私も早く撤去されないと危ないのにねなんて、とても他人事に軽々しく言ったものだった。
歴史とかはきっと関係ないのだ。
そこに形ができたら、そこに多分宿るものなのだ。
人に忌み嫌われる様になった仏様は
姿が変わっていった。
人間を守る気持ちは薄れ、諦めの気持ちに支配されていった。
妹から「3月30日に決まったらしいよ。」とまたLINEが来た。
昆布さんを描いたのは30日だった。
理屈とか、何がどう作用してとかはよくわからないけど
とりあえず、役目は終えれていたらいいな。
昆布仏様は、今も外を見るといる。
たまに、ウルトラマンみたくビームを地面に向けて撃っている。
『この仮は必ず返す』
って、今日は言われた。
よくわからないけれど、いい展開に繋がります様に(。-人-。)