カレーを食べたい男がいました。
男の家の冷蔵庫には、大量のお肉、じゃがいも、ニンジン、玉ねぎ、そして、
S&B食品の「とろけるカレー」100万個
がありました。
でも、男はカレーを食べるため、外へ行きました。
しかし、なかなかカレー屋さんは見つかりません。
行き当たりばったりで歩き続け、
5キロほど歩いてようやく男は国道沿いに
「COCO壱番屋」
を見つけ、ポークカレートッピングにチーズとほうれん草にありつき、こうつぶやきました。
「一命をとりとめた・・・」と。
しかし、男は食べるや否やまた不安になってきました。
「次、いつカレーにありつけるのだろうか」と。
来た道も覚えておらず、帰り方もわかりません。
仕方なくタクシーで男は家路につきました。
男は部屋でうなだれました。そしてつぶやきました。
「明日のカレー、明後日のカレー、私はどうやって賄っていけばいいのだろうか・・・」と。
男は不安で不安で仕方ありませんでした。
そして、男はいつものようにその不安から逃げるように、
大量のS&B食品の「とろけるカレー」の山
に埋もれて、長い長い夜を越えるのでした。
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これは釈迦が弟子に「豊かになるためにはどうすればいいですか?」と聞かれた時に、話したといわれる有名な「COCO壱番屋を探す男」の話です。
釈迦はこの話を食材の生産者の名前も一人一人挙げながら、5時間半かけて話したと言われています。
私たちの多くがこの男のように大量のカレールーと材料に囲まれながら、カレー屋さんを探しに外へ出歩くようなことをしています。
幸せも豊かさも、外側にあって、それを手に入れれば満たされると感じているのです。
しかし、既に幸せと豊かさの材料は、あなたが持っています。
ただそれはあなたが求めている特定の「カレー」という完成形として、目の前にあるわけではありません。
カレーを作る、カレーを生み出す「材料」としてあなたが既に持っているのです。
それは元々私たちの内側にある豊かさや平安であり、生まれ持った性格や性質であり、養われて来た特技や才能であり、与えられている環境であり、あなたと常に共に在る心と身体です。
自分が持っている幸せや豊かさの元となる材料に気付いて、それを形にしていくことで、あなたは外側に探しに行かなくとも、永遠にカレーを生み出し続けることができます。
そして、あなたのカレーを求めて多くの人もやってくるようになるでしょう。
元々ある材料をどう形にしていくかが私たちの課題です。
そのためには、野菜の皮を剥いたり、切ったり、じっくりコトコト煮込んだり、味見したり、おいしくするためにハチミツやりんごを買いに行ったりと、多少手間や時間もかかることもあります。
でも、常に幸せや豊かさの源泉は「あなた」なのです。
あなたを使って、あなたが持っているものを活かして「今」をどう料理していくのか?
それが、私たちが今、そこにいて、その状況を体験している意味なのです。
・・・・・という解説を釈迦は、
「野菜の切り方」「炒め方」「アクの取り方」などのレクチャーも含めて、
弟子たちにさらに6時間半話したと言われています。