店長、捕まえてきました。食い逃げしようとした男です。
お前か!なぜこんなことをしたんだ?
あんたナメクジを知ってるか?
はぁ?
お前さん、ナメクジを知ってるだろう?
何訳のわからないことを言ってるんだ。今、そんなことはどうでもいいんだ!
まあ、私の話を聞きなさい。ナメクジはな、家の花や観葉植物の葉っぱを食べたりして、人間には害虫だと思われている。だが、日中ナメクジは何をしているか知っているかい?
さあ・・・。
ナメクジは日中、土の中にいて根が呼吸できるように耕している。そして、食べた葉っぱを排泄し、肥料として、その植物に与えている。つまり、見えないところでその花や植物を生かす役割を担っているんだ。ナメクジはその報酬として、その植物から葉っぱをもらっている。植物はナメクジが食べるだけの葉っぱを余分に繁らせる。そういうかたちですべてが調和しているんだよ。わかるか?
は、はぁ・・・。だから、それがどうしたというんだ?
ナメクジが葉っぱを食べる。その場面だけを捉えてみれば、ナメクジは悪者に見えるだろう。しかし、全体像を見れば決してそんなことはない。それはこの世界のすべての場面に当てはまるということだ。一側面だけを見て、それが良いだの悪いだのと判断することではない。例え自分が何らかの被害をこうむっているように見えることであっても、それによる恩恵を自分は必ずどこかで受け取っているということなのだよ。
・・・だから、それが
まだわからないのか!お前は私が本当にタダで、何の代償もなく、お前の店の料理を食べて逃げようとしたと思っているのか?お前の店にとって私はさっきのナメクジのような役割を果たしているんだよ。覚えていないのか、私の顔を?
ま、まさか・・・あなたは・・・
て、店長、この男に見覚えが?
いや、はっきりともう顔は覚えていない。何しろ20年も前のことだからな。
そうか・・・あれはもう20年も前のことになるのか・・・
や、やはり・・・あなたはあの時の?!
店長、いったい誰なんですか?この人は?
20年前、私はこのレストランをオープンした。腕には自信があったものの、路地裏のこの不便な場所には最初まったくお客さんは来てくれなかった。しかし、ただ一人、毎日のようにここに来てくれる人がいた。その人は、私の料理をとても気に入ってくれ、いつも他の仲間たちを連れて食べに来てくれた。
経営が苦しい中、その人が連れてきてくださるお客さんに私は本当に救われたんだ。やがてその人の紹介や連れてきてくれた仲間の口コミのおかげで、店には次第ににお客さんが来てくれるようになり、徐々に店は軌道に乗っていったんだ。あの方がいなければ、今のこの店、そして今の私はいないだろう。
まさにあの人が、この店が生き延びられるように、土の中を耕し、根っこに空気を与え、肥料を与えてくれた命の恩人なんだ。そうでしたか・・・あなたは・・・20年前に私の店を支えてくれた・・・あの方なんですね!?
そう。確かに私は20年前この店に来た。そして、あなたの料理に心底惚れたんだ。このシェフは本物だ。こんな料理をずっと食べ続けたい!その衝動を私は抑えることができなかった。だから私は毎日店に来た。そして、20年間、あなたに見えないところで耕し続けたのだよ・・・
・・・おい、警察呼べ。
はい。
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ある場面だけを切り取って見た時、それはひどいことのように思えるかもしれない。
一方向からだけ見た時、その人は悪者のように感じるかもしれないし、自分は被害者のように感じるかもしれない。
しかし、それはあくまでも一方向からの見方。
全体像を見たときに、そこには必ず調和があり、両者はバランスしている。
その人のせいで本当に被害をこうむっているのだろうか?
今、起きていることは、本当に悪いことなのだろうか?
一側面だけを見て、私たちはそのことを判断することはできない。
僕は自分の人生を振り返ってみて、ある時、何も悪いことは起きていなかったことに気付いた。
最悪の出来事だと思っていたことが、最善の原因になっていたことに気付いた。
頭では決して判断できない、壮大なシナリオを垣間見たとき、そこに大いなる宇宙の意思を感じた。
私たちの世界に加害者はいない。もちろん被害者もいない。
駆除すべき害虫も、根絶すべき思想も、弾圧すべき宗教も、差別すべき人種もいない。
すべては宇宙の視点から見たときに、完璧に調和している。
不必要なものであれば、そもそもこの世に存在することなどなかっただろう。
すべてを祝福しよう。それは必ずあなたに何らかの恩恵を与えてくれているものなのだから。
例えば、怒り狂っている人は、地球に溜まった怒りのエネルギーを解放してくれているのかもしれない。
貧乏ゆすりしている人は、その微妙な足先のバイブレーションで、地軸の調整を行ってくれているのかもしれない。
電車で大股を開いてこちらに窮屈な思いをさせる人は、その圧力によってこちらの骨格の矯正をしてくれているのかもしれない。
そして、僕もあえてスベることで
皆の心を凍らせ、地球温暖化を緩和させているという事実をぜひこの機会に知ってください。
←地球温暖化防止のため、寒さを広げるサポートをしましょう 笑。
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