子供の頃、投射機を見るのが好きだった。
そこからスクリーンに映し出される様々な世界。
投射機がまるで魔法のランプのようにその世界を作り出しているように思えた。
僕が今いるこの現実も心というフィルムを投影して
映し出された世界なんじゃないか。
周りにいる人は、僕一人の世界のために存在する登場人物なんじゃないだろうか。
幼心にそんなことを思っていた。
でも恐くなってそんな考えはすぐに消し去った。
今思えばあれもあながち間違いじゃなかったんだ。
僕等の魂は光そのもの。
僕等が見ているこの現実は、その光によって心が投影された世界に過ぎない。
今僕等は超立体で臨場感たっぷりの映画を観ている。
あまりにリアル過ぎて幻影だってことも忘れてる。
現実が暗くてもそれは心のフィルムが暗いだけ。
フィルムを投射する魂の光は決して輝きを失わない。
でないとスクリーンに現実（いま）が映らないからね。
だから僕等の本質はいつだって眩しいくらいに輝き続けているんだ。
さあ思うままのストーリーをこの世界に投射しよう。
この際、余計なものは全て捨ててしまえばいい。
自由になった姿をイメージしてごらん。
準備はいいかい？
ブザーが鳴った。
じゃあそろそろ本編を始めようか。
ほら!あるがままの君達が現実世界に飛び出してきたよ。
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