7年前ですが、こういうのを書きました。
https://ameblo.jp/gurugahinkpg/entry-12029223686.html
狂犬病予防接種に関して不要論を主張する人がいて、あまりにも怖かったので。
しかし、この永江一石氏は未だにその不要論を主張してて、私は2度ほどやり合いました。
前回もそうやけど、インドネシアに関して思い切りご認識してるなあと。
さて、その7年間で日本には幸い、狂犬病の侵入を許しておらず、未だに清浄国で有ります。
が、その清浄国を脅かす危機はまだ高いと思います。
狂犬病予防接種の接種率は年々下がってますし、登録されてない犬の事を考えると4割台ではという話も。
さらに1度は根絶したはずの野良犬、野犬もまた増えだし、山口県周南市を始め、あちこちで聞くように。
さらに犬と並んで狂犬病を媒介する危険な動物のアライグマも我が国で外来種として増えつつ有ります。
そんな状況の中、ここ数日狂犬病が話題になりました。
世界を揺り動かしているロシアのウクライナ侵略。
それで日本にも避難している方がおられますが、そんな人達で犬を帯同している方がおられまして。
で、狂犬病清浄国である我が国に犬を持ち込むには準備と検疫が必要。
しかし、戦争から逃れてきた人にはそんな準備出来ていない。
どうするかと。
ちなみにこの記事、デマ記事でした。
今は修整されてますが、殺処分の可能性も匂わしてまして…
それをもって殺処分なんて許さないという声がわき起こりまして…
それに対して農水省がこういう発表をhttps://www.maff.go.jp/aqs/animal/dog/import-index.html
その対応に獣医師会や狂犬病に関心のある人から反対の声がわき起こり
という状況です。
ちなみに私も大反対です。
では何が問題なのか?
まず狂犬病のおさらいから。
狂犬病(狭義)ウィルスはラブドウィルス科リッサウィルス属に分類され、人間を含めた哺乳類全てに感染する人獣共通感染症です。
この感染症の恐ろしさでよく知られているのは、感染後に発症するとまず有効な治療法がない(有るといえば有るけどミルウォーキープロトコルはヒトの狂犬病治療での実験的処置法)ので助からないということです。
さらにそれに加えで、感染力はそれほど高くないものの、感染初期にその判定が難しいこと、そして潜伏期間が非常に長いこと。
それらも覚えておいてください。
日本でも多くの人や犬、そしてニホンオオカミ(絶滅に関わってたのではと言われている、ただし科学的感染した確認はない)などの野生動物の命を奪った病気ですが、予防接種と野犬、野良犬の根絶、放し飼いの禁止でいまは根絶させて清浄国です。
ちなみに我が国以外の清浄国。
現在、日本の農林水産大臣が狂犬病清浄国及び地域として指定している、オーストラリア、ニュージーランド、アイスランド、フィジー諸島、ハワイ、グアムと他に6箇所の国や地域となります。
ウクライナは指定地域以外の地域で非清浄国であります。
そして今回問題になった犬等を海外から持ち込む場合に必要な処置。
清浄国の指定地域だと、
詳しくは農水省のサイト見て頂きたいのですが、
簡単に説明すると決められた規格のマイクロチップを埋め込み、個体識別を可能にする。
今まで指定地域にいた事を証明する書類を用意する(生まれてから今まで、もしくは輸送前180日)
届け出、出国前の審査 輸送、入国後の検査
となります。
では今回のウクライナの様に指定地域以外からだとどうなるか。
まず決められた規格のマイクロチップ埋め込み、個体識別を可能にする。
そして狂犬病予防接種(日本が認めているメーカーのワクチンのみ)
それも2回。
なぜ2回なのか?
一回で充分な免疫抗体が出来ない事があるためなんです。
そして一回目の接種から30日以上の間隔を開けて二回目を接種。
ここで抗体価が規定以上あること。
そして抗体価が規定以上だと晴れて入国…
じゃないんですね。
抗体価検査の採血から180日の待機期間が必要となります。
この抗体価検査と待機期間は輸出国でも日本でも可能です。
なんでこうなるかと言いますと、既に説明した様にワクチン接種してても、感染の可能性を完全に無くす事は出来ない。
採血時点での抗体価が高くても、ワクチンによる充分な免疫が出来る前に感染するリスクがあり安全とは言い切れない。
そこで潜伏期間の長い狂犬病に対して、180日という長期間待機、係留する事で、本当に感染してないか確認するわけです。
まあ、それ位狂犬病は恐ろしい病気で、それが無い清浄国という状態を守らねばならないと言う事です。
で、今回の避難民の帯同犬
マイクロチップと予防接種は行っていた様です。
しかし。この根拠となる輸出国の動物検疫政府機関の輸出検疫証明書を添えてこなかった。
農水省の動画で「あらかじめ証明書の発給を受ける事は事実上困難な状況にある」との説明はこの事だと思います。
さらに本来はこれらの手続きを行った上で日本に到着する日の40日前までに到着予定の空港や港を管轄する動物検疫所に事前届出をする必要があります。
でも戦争からの避難で届出は難しいでしょうし、当然180日の待機なんても難しい。
となると日本の動物検疫所で係留される事になるのですが、この時に犬の世話は飼い主が行なう事が可能です。
それが出来ない時は業者に委託する事が出来ます。
この費用が一日3000円で180日で50万円以上。
そして最初の報道が殺処分というデマを交えて伝えたので、50万円という大金を払えなければ連れてきたポメラニアンは殺処分だ!と受け止められて燃える燃える。
でも多くの人はこの係留という検疫は必要だけど、避難民に50万円という大金はキツイんじゃ?と思った様で、国が負担すべきとか、我々で支援しようクラファンだ!という流れになってたんですが…
そこで農水省は既にリンク
貼った様に、180日の係留を動物検疫所でなく、条件を満たせば自宅でも可能としたわけです。
費用支援でなく、係留を免除、緩和かよ!と再び炎上。
これが今までの経緯です。
で、次に農水省のその決定に我々がなぜ反対か?を書いていきます。
続く
複数ヶ所をNAKANE_TAKASHIさん@nakanetakashi からご指摘を受けまして訂正を入れました。
どこを訂正したか残そうと思いましたが、数が多かったので断念。
NAKANEさんありがとうございました。