もう、こっちのブログを釣り関係にして、
自分の思う事を吐き出すのはツイッターにしてだいぶ経ちます。

ブログのサイドにツイッター表示しているのでわかると思いますが、ネットで知り合った人と交流がメインです(まみーさんもやろーよ、インドネシア在住者で楽しい人いっぱいいるよ)まあ政治的、社会的な発言もちらほら。

ついったーランドはフェイスブックやブログと違い、いい加減な事を言うと容赦なくぶん殴られるので、不注意な発言は出来ませんが、それでも自分の立ち位置から思ったことをピイピイと囀っております。

そんな中でこないだ出会った出来事をブログでまとめてみようかと。
あまりにも怖かったので…

それは狂犬病です。



ワタクシ、アドナラ島ってとこに住んでいますが、
お隣のフローレス島で18年前に狂犬病騒ぎがありました。

その時はまだ赴任してませんでしたが、仕事で来た時にその騒ぎを目にしましたし、赴任してからもいろいろ話を聞きました。

詳しくは下のリンクをお読みください。

インドネシアの狂犬病事情とフロレス島の現地調査報告書



今いる地域ではスラウェシのブトン方面から移住した一族が多く、
いまでも小舟で行き来してます。

で、この地域では何度も飼い犬食われたネタにしているよう、
犬は重要な食用。

そんなことでスラウェシからララントゥカへ持ち込まれた犬が狂犬病に感染しており、それが全島に拡がって多くの犠牲者を出しました。

その流行は上の報告書にあるように、多くの人の努力で喰いとめたのですが、
そのためにフローレスの犬は全て屠殺処分。
そして終息後もしばらくは犬の飼育が禁止されました。

その上で恐怖は残っていて、以前に私の部下が犬に噛まれた時も村中で狩出して首を切り、感染してないか確認の為にラボへ持っていきました。

また、その流行時にクパンでも犬の屠殺が行われ、
野犬や放し飼いの犬を殺してバスにずらっとぶら下げている光景を目にしました。

そういう事で、狂犬病こえ~ってのはずっと持っています。

それに加えて、もとペット屋店員ということで、日本の諸事情も色々聞いております。

例えば動物の輸入量。
これ、私が現役の時からいろんな動物が輸入されておりました。

私も何度か通関にいった事あります。
最近は野性採集モノよりも、飼育下で繁殖された個体がおおいのですが、
全体的にはまだまだ多いです。

狂犬病ってその名前と異なり、哺乳類なら全て感染します。
そして潜伏期間が結構あります。

という事で検疫はありますが、こういう輸入生物が運んでくる可能性。
それは輸入業務に関わったことのあるワタクシとしては実感できる恐怖。

ただ、日本は犬へのワクチン接種と野犬処分の徹底で、ながらく清浄国ではあります。

が、そのワクチン接種。これが年々下がり、今では40%切るのではと。

その理由は犬の登録制が年に一度から飼育開始のみと変わったことも多いですが、やっぱり無責任な飼い主が多いのではと。

もう長らく続くペットブームで飼育者が増加。
その数が増えれば、必然的にアホも増えます。
これは飼う(買う)方だけでなく、売る方も同様。

それはペット業界にいる知り合いからも聞こえてきますし、
殺処分や遺棄、そして咬傷事件などでも感じてる人多いのでは?

そんな無責任な飼い主の増加も、狂犬病ワクチン接種率低下の原因では?

そんな人たちの言い訳として、ワクチンの副作用ってのがあります。

確かに副作用で亡くなる犬はいます。

でも、狂犬病が発症したら死亡率100%
もしフローレスのように流行したら、感染しなくても未接種ならば処分されることもある。

しかし、日本では長らく発生してないので、そういう事態に備えるよりも、副作用ガァ~。

ってなことで先日ツイッターである人が炎上。

その炎上は下のまとめにて、興味ある方はどうぞ。

狂犬病ワクチンは打つべきか?白熱する議論



この炎上した永江一石氏。

前からブログ読んでまして、ネットなどに詳しくない私も色々教えていただきました。それと昔釣り雑誌にコラムか書いてたような?

で、この議論で炎上したのが悔しかったらしく、ブログで反論。

愛犬について義務付けられるワクチンについてのいろいろ

で、さらに炎上・・・

まあツイッターは議論に向かないなあと思いました。

一人とやりとりしてても、別の人が参入しやすい。

その上140文字という制限で、いくつかに分けて意見を述べますが、
その一部だけが広まったりと。

そういう事で永江氏が炎上したのは同情します。

ただ、ブログ記事に関しては認識があまりにも甘い。

で、また色々と反論が
ブログ記事への反応まとめ


さらに獣医師が反論しているのがこれ。
狂犬病ワクチンについての獣医師の反応

こっちはかなりわかりやすいかと。

私も、永江氏の主張うなずける点もあるんですよ。

狂犬病の流行を、犬へのワクチン接種だけで防げるか?

それは私も思います。

でも、その現防疫体制への不備突っ込みを、副作用の被害とともに、
接種しない言い訳にしている段階でアウトです。

彼は自分の犬は高齢と言う理由で許可をとって未接種らしいですが、
理由もなくしない無責任な飼い主。
それらがしない言い訳になるような情報を与えた。

永江氏のような影響力がそれをやっちゃダメでしょう。

そのブログも所々は正しい様に見えますが、
自分の都合のいいつまみ食い。

60年近く流行がなかったのは幸運でありますが、
それをラッキーといって接種否定しちゃうのはダメです。

また、そういう感染犬と出会う確率が低いからって、
室内犬には不要ってのも・・・
短い時間ですが散歩も行きますし、
室内飼育と室外飼育の線引きってどうすんの?
そういう義務が生じる境は、ごまかしとかが起こるの当たり前。

どうも、感染期間に症状が出ない、その時に他の犬へ感染させることも知らなかったようで、感染した犬が船に乗ってきたら噛みまくって大変。
なんて発言もしている。

おまけに、サーフィンでバリにもしょっちゅう行っているようですが、
その認識も甘すぎ。

バリでは2008年から狂犬病が流行しだし、予算不足と屠殺処分の不徹底で根絶で来ておりません。
今年に入っても死者が出てます

バリに野犬一掃令 州政府 狂犬病撲滅に捕獲チームを
今年の4月の朝日新聞の記事ですが、放し飼いの犬の多さでその対策の難しさが書かれてます。

そんなバリなのに狂犬病を抑え込み完了と・・・

https://twitter.com/guruado/status/599767773837795328

で、彼の間違いツイと私の反論ツイですが、下にぶら下がるリンク先には、
犬に噛まれた時に人へ打つワクチンのストックが尽きたというバリの記事。

どこが押さえこみ完了なんだか・・・


つまり、私がずっと己の経験から危惧してたように、
狂犬病の日本への侵入の可能性は高まっています。

それは多くの人が指摘してます。

それは今までの犬へのワクチン接種だけでは防げないかもしれない。

でも、犬へのワクチン接種はまだまだ重要な手段です。

もし日本で発症しても、多くの犬が接種済ならば感染ルートはそれだけ絞られる。
おまけに流行しても、接種済の犬は様々な対応をする必要が無い。
その対応ってのは、ここであったような屠殺も含みます。
その必要が減った労力の分、流行を抑える作業に使える。

つまり、ダメージを全く受けないための道具としてはそれだけで不十分でも、
受けた時に対して、つまりダメージコントロール、ダメコンの道具としてはまだまだ有効であります。

その有効な道具にとって代わる手段がないのに、その欠点だけを甘い認識と都合の良いつまみ食いでブログで指摘。

それを自分が副作用で愛犬を失いたくないがために、接種を拒む理由として多くの人に言い訳のネタとして提供する。

それは、高まる狂犬病の可能性を、さらに高めかねない危険な行為だと思います。

ただ、犬に関わる仕事をしている人でも、こんな認識の甘い人がいる状況。
狂犬病予防注射をしたことに出来るとのべたペットトレーナーしとのやりとり。

もう、読んでて怖くてたまりませんでしたわ。

地方の過疎化で野犬が増えている地方もあるし、
ハクビシンやアライグマ、イタチなど都市部で生活する生き物が増加する最近、

我々人間も狂犬病への怖さをもう一度冷静に見つめるべきではないかと。

永江氏の騒動は、それに繋がるのでは?と思いましたが、誤った認識をまき散らすだけだったかなと。

正直言って、日本で狂犬病が発生しても、パンデミックは無いと思います。
野犬や放し飼いの少ない日本では一部の地域にとどまる可能性が高いと。

ただし、物流の激しい事もあって油断は禁物です。

仮にエピデミックにとどまっても、昨年のデング熱の比じゃない騒がれ方をされるのは間違いないでしょう。
発症したら死亡率100%以上という事で、必要以上の恐怖と忌避を巻き起こすかもしれません。

その時に怖いのはパニックであり、人々の憎悪が病を媒介する生き物に向かう。
そのために犬や飼い主への圧力が高まり、過度な処分を要求される。
そうなるとワクチンを接種した犬でも殺される事もありうる。

悲観的なもしの繰り返しですが、防疫ってのはそういうものじゃないかと。

その防疫もワクチンで不十分かもしれませんが、先述のようにまだ大事な防御手段でもある。
それを多くの人が代替方法もないまま、勝手にその守りから抜けたら…

犬という社会に関わる生き物を飼う以上、ワクチンの接種は必要な義務と考えます。
その上で、この恐ろしい病気の事を考えて欲しいです。

なお、在住者は十分承知でしょうが、バリに旅行する方は十分気を付けてください。

異常のない犬でも、犬以外の動物でも、噛まれなくても唾液、体液を介して、
狂犬病は感染するという事を。













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