555作目はバッドエンドの割には後味があまり悪くない作品を…。
『ザ・レッジ』
2011年アメリカ作品。
リヴ・タイラーがふたりの男の間で揺れ動く人妻を妖艶に演じたサスペンススリラー。
-あらすじ-
高層ビルから身を投げ出そうとしている一人の男がいた。彼の名はギャビン。通報で駆けつけた
刑事のホリスは、窓から身を乗り出しギャビンの説得にあたる。だがギャビンは「自分の意志では
ないが、僕はここから飛び降りなければならない。自分がやらなければ、他の誰かが死んでしまう」
と苦しげに告白する。ホリスは、説得をしながらその原因を探ろうとするが、ギャビンの口から
語られ始めた真相は、衝撃的なものだった……。ホテルで働くギャビンは、自宅から仕事場に
向かうバスの中で同じアパートに住むシェーナを見かける。改めて見る彼女の姿は
着飾っていなくとも艶やかな美しさがあり、ギャビンはしばらくの間目を奪われてしまう。
だが声は掛けられずそのまま仕事場へと赴くが、そこに新人としてシェーナがやって来る。
それがきっかけでギャビンとシェーナは親しくなり、互いを意識するようになる。しかし、シェーナには
ジョーという夫がおり、ジョーは二人の間を疑っていた。そしてついに一線を越え、激しく愛し合う
ギャビンとシェーナ。その証拠を掴んだジョーは、愛する妻が乱れる姿を目の当たりにして
冷静さを失い、驚くべき行動に出るのだった……。
-感想-
何というかこの映画って反キリスト映画という感じですかね。
お話は出会った美人妻が主人公の家の隣人で友人と共に食事に招待されます。
美人妻の夫はキリストの原理主義者で食事中に友人を侮辱され主人公はむかつきます。
こんな夫にこの妻は勿体無いということで寝取ってやろうという感じですかね。
飛び降りようとしている主人公を説得する警官も子種がなく妻は人工授精で2人の子供がいます。
刑事も妻に裏切られたことを引きずりつつ説得に当たっています。
主人公は見事に美人妻を寝取りますが夫はすぐに浮気の事実を突き止めます。
そこで妻を人質にして主人公に妻を助けたければ目の前のビルから飛び降りろと命じます。
説得中に刑事は犯人の場所を突き止め警察官達を派遣しますがタイムリミットになります。
主人公は犯人のいうとおりに飛び降り自殺をし犯人はその直後に身柄を押さえられます。
刑事は主人公に言われたとおりに何となく許す気になり家族の元に戻ります。
そして美人妻は牢屋の中の夫に冷たい視線を浴びせかけその場を立ち去ります。
ラストは身寄りの無いヒロインが主人公の友人の元に行き抱き合いエンドです。
この映画において最高の突っ込みどころと欠点は犯人が分かりやすいところにいたことです。
正直説得中にすぐ犯人の居場所を特定していますが主人公から何も知らせはありません。
自分が飛び降りればヒロインが助かるとか危ない犯人の言う事を信じすぎです。
2時間近く時間が合ったんだから警察に少しでも情報を伝えて助けを求めた方がよっぽどマシでしょう。
正直脅されて飛び降りると聞かされてからものの数分で犯人の身柄を抑えられています。
だからさっさと脅されているといえば簡単に犯人が捕まる時点で飛び降りる必然性はありません。
いろいろな仕掛けとかあり飛び降りないとどうしようもないという状況だったら面白かったでしょうね。
それと登場人物にろくな奴がいないので感情移入が出来ませんでした。
寝取る主人公元シャブ中と不倫妻と原理主義者の夫の夫婦と種無し刑事とゲイですかね。
間男が飛び降りても可哀想は思いませんし原理主義者が妻に裏切られても関心すら持てません。
飛び降りようとする主人公の語りから映画は始まりますがその通りだったら聞く方は苦痛でしょうね。
他人の妻を寝取ったから飛び降りる羽目になったと事細かく2時間も聞かされるんですからね。
謎解きや犯人との頭脳戦もなければサバイバル要素もないのでサスペンスとは言い難いです。
予告だけ見ても全く想像出来ませんでしたが思った以上に出来の悪い映画と言えるでしょうね。
反キリストぐらいしか主張を感じられず正直お話もそんなに面白くないですね。
そんな感じで予告を見て期待した人は注意していただきたいお勧めは出来ない作品でした。