夫も私も土曜日は暗くなるまで仕事があったが懲りずに日本海まで釣りに行った。
香住に着いた時には日付が変わろうとしていたがいつものように缶ビールを飲み少し喋って車の中で仮眠を取った。
子供がついてきていた頃にはスーパーロングなんてのに乗っていた。今は普通のワゴンであるがそれでも二人だけならふとんを敷いて寝るには十分な広さがある。
この車に買い換える時には一悶着あった。車はでかい程いいと言う夫ともう年を取るんだから私の動かし易い車にして欲しいとお互い譲らなかったので中間を取ってこの大きさになった。
夫は車を廃棄する時「待ってろよ、又買ってやるからな」と車に言っていたがその願いはきっと叶わないだろう。
2時半には起きてボートを膨らませ漕ぎ出す。
月も無く真っ暗なので、私はポイントに着くまでは星を見るしかない。
竿を出してすぐ夫にいい型のガシラやチャリコがきた。
塩サンマをつけた私の竿にもものすごいあたり!
まだ魚が見えない時から夫は「鮫や鮫」ときっぱり言う。いやな奴。
タモを出して取り込むと鮫である。
手元が見えないし暴れまわるのですごく怖い。
夜が明け始めたら前の波止にすごいカラスの群れがやってきた。
嫌な予感・・・
ズンズンズンズン・・・ギャー!
又鮫だ
朝一に大物を釣るという夫の願いもむなしく夜が明けてしまった。
それでこの前アオリイカを釣ったポイントに移動する。
目のいい夫が「鵜がいる」というので見ると岩場に巣があるらしく沢山の鵜が首をのばしてキョロキョロしている。
鵜は卵を守ろうとカラスを追っているのだが頭のよいカラスは気をそらすもの卵を狙うものとチームになっているようであった。
釣りました三匹・・いや三杯か・・・
全部私です。
今日はちと魂胆がありました フフフ タッパーと昆布しょうゆを用意し釣れた先から沖漬けにしようと企んでいたのです。
日本海側は一日中曇りだと天気予報が言っていたので麦わら帽子を持って行くと言う夫に「曇りやからいらんわ」と言った私がばかでした。
もうすんごいいい天気です。
仕方ないので暑くなって脱いだ赤の防寒着の帽子だけ外しそれをかぶって黄色い長靴を履いてる私の格好は相当怪しいです。
誰も見てないからいいわと思っていたらボートに乗った人が現れて何を釣っているのか聞かれた。
私がうれしそうに沖漬けにしたタッパーを見せるとこの島の反対側に行くとアオリイカがウヨウヨいるしでかいものが釣れると言う。
頼みもしないのに引っ張って行ってあげようなんてことも言う。
夫一人でもそんな遠い所に漕いで行けないのにどうして帰るんだろうと心配してる私のことなんかほっといて夫は「ハイお願いします。」なんて早速ロープを掴んでいる。
オイオイいいのか・・・
着いたさきにはすばらしい景色と信じられないようなイカ天国が待っていた。
先に見える尖った島や鋭い崖には渡船で渡った釣り師達が果敢に魚を狙っているのが見える。
島影は波も全くなく日陰になっているので透明度12mである。
スッコーンと透き通った海にいるわいるわほんとにアオリイカがうようよいる。
黒いの、透き通ったの、模様をクルクル替えるの。
餌木を落とすとシューとやってきて様子を見る奴、すばやくバックする奴、抱きついて慌てて離れ墨を吐く奴。
この様子だとこの後爆釣だぁ!あんまり面白いのでカメラを出してきて撮ろうとするがモニターにはイカが写らない。
人間の目はなんて精巧なんだなんて呑気にしているうちイカが散ってしまった。
「遊んでないで釣りなさい」と言う夫の忠告を素直に聞けばよかった。
餌木のトゲトゲに食らいつくフグ!こんな奴見たことない。模様はトラフグに似ているし型もいい。
「食べられる?」「食べられんフグなんてないわ」「じゃあ持って帰る?」「今日は色々あるから堪忍しといたろ」ポイッ!
夫がノマセにするためサビキを始めるとものすごい量のアジが寄ってくる。
連れてきてくれた人が「ここにはアジがいっぱいいる。餌のアジがいっぱいいる所には大物も多い」と言っていた。
ホントにこんなガシラまでアジに食らいつく。信じられんわ。
一つの竿には浮きを付け、よく泳ぐ青アジを餌に大物の青物を狙う。
もう一つには15号の錘を付け小あじをつけてアコウを狙う。
ずーーーーーっと前にこの海で釣ったあこうの煮つけの味を今でも私達は覚えている。
生涯で一番旨かった魚だと何回何百回何千回も飽きずに言ってきたもんだ・・・
なんて思っていると・・
夫が掴んでいる竿がガツン!と来た。
夫は小さな目を見開いて鼻の穴をこれでもか!と膨らませ「オリャーー!」としゃくる。
竿がしなるしなるものすごい勢いである。
「アコウがきたーーー!」と叫んでいる。
果たして目の前に姿をあらわした物は・・・
丸々太ったアコウである。
念願のアコウそれもこんなに大きく美しい。
夫のうれしそうな顔ったら!
よかったね。ぐりぐりさん。ほんとにおめでとう
もうこれで夫の戦闘モードのスイッチが入ってしまった。
「よしっ!大物ねらうぞ!エイっ!じゃまやな」とボートにくくり付けた私が釣ったイカの袋をオールで叩く。
「なにするん!私のイカを」
「えーいこれをのけろ!行くぞ!」
島から離れ外洋へ出て行く。
どんどん風も出てきて海もうねりだす。
「予定通りや、西の風に乗って浜の方にいけるからな」
「分かってたん?」
「当たり前やそれでないとこんなとこに連れてきてもらうかいな」
移動する間私はリールにちょっと絡んだ道糸を直そうとほどき始めたら絡んだところはずい分先でボートの中は糸だらけになってしまった。
「ほんまにこんなとこで!えーい貸せ!」
と浮きを見たり手元を見たりせわしなく目を動かせつつそれでも几帳面な夫はどんな時でも糸を切ったりしない。
そんなとこが夫のいいところだ。
なんか手先が震えてない?すんごい興奮してるんですけど。
「来たー!」
底に沈んだ方の竿が強烈にしなる。
近くに上がってきてからもボートの裏側にも回ってものすごい勢いである。
「よっしゃーアコウやー」
姿を現したものは
元気いっぱい 鮫であります 笑)
「お前かあ」と夫は笑いながら鮫の頭をペンペン叩いております。
ボートを流しながら夫の肩越しに海を見ているとすんごいでかい魚が潜水艦の行軍のように行くのが見えた。
次に向き合った私の肩越しにサワラが全身を表わしてジャンプするのが夫の目に入った!
この大きな魚は私たちのまわりを円を描くように移動しているのだ。
置いた竿をガシっと掴み目を見開いて浮きを見ている。
あーこれでこの魚がかかるなんてことがあればなぁ・・・・
と思ったけどそんないいことは日に二回もなかったのだ。
巨大な越前クラゲがうようよいる海から帰ってきました。
もう10時間もボートに乗っておりました。
でもこの白い砂浜を見ると「キス釣るキス釣る釣らせてくれー」
と叫んでしまう私です 笑)
マムシもイシゴカイもほとんど手付かずで残っているんだから竿を出さずに帰られようか!
夫はアコウを釣って今日はもう十分でございますという顔をしているけど困った妻の為に又仕掛けを作っております。
ちょっと投げたとたんあのなんともいえないブルブルが・・それも相当でかい。
風が止んだ海の中をのぞくとなんとキスがいるのが見えた。
大きなあたりがあって竿をあげると大きな青ベラがかかっていた。
「もうええやろ」と言う夫に渋々従って今度こそ納竿です。
今回海であの方のご好意に甘え楽しい経験をさせて頂きました。
次の春に船外機を買おうという計画していますが今回のことでそれが少し早まるかもしれません。
夫はもっともっと遠くまで行って大物を釣るぞと言っております。
自力でボートを漕いで行くにはいろんなことが必要です。
天気図を見、風を読み、潮の流れを感じ舟を漕いでいかねばなりません。
動力で動くようになれば大きな魚が食べられるようになるかもしれませんが夫の男らしさを見ることは減るかもしれません。
ご静聴ありがとうございました。
そうだ料理を忘れてましたね 笑)
すごい歯ですね。
もう捌くのに大変です。
硬くて硬くて全身筋肉です。
国体決勝戦花園に出場耳がつぶれたホワードラガーマンってとこです。
なんと刺身も湯引きも歯がたちません。
それで小鍋仕立てにしてしゃぶしゃぶで食べることに。
香住で買ってきた香住鶴で煮つけを頂きます。
あまりの旨さに夫が泣いてる?泣いてないか・・
特筆すべきはこの頭であります。
頬、カマ、額、全部味が違います。
目はとび切り旨いです。
でもこれです。
二人で何度これについて話したことでしょう。
唇。
最高です。
がしらの肝は特別おいしいので有名ですがアコウもなかなかのもんであります。
それよりこのアコウの胃袋の旨みはすごいです。
氷漬けして帰ったものだから目が白くなってますがなんとこのガシラはまだ生きておりました。
三時間氷に浸けられまだ生きている。すごい生命力です。
アコウの煮こごりの旨さは私が説明するまでもないでしょう。
イカの沖漬けの旨さには皆びっくりしました。
経験したことない旨さであります。きっとどんなおとり寄せでもこの味に勝てるものはないだろう。
夫に「叩いたイカだよ」と言ってやりました。夫は申し訳なさそうな恥ずかしそうな顔をしておりました 笑)
にんにくとオリーブオイルで炒めたイカが入ったサラダ。
身は入っていないけどイカ墨とワタが入ったスパゲティー。玉ねぎ、ベーコン、きのこ、にんにく。
前回のより旨い。ワタを入れたのは正解だ。イカ一杯だけの墨なのにすごい。
墨を吐かせずゲットしたいものだ。
山芋も入ったイカ納豆。もちろん沖漬けで。
沖漬けのとろろご飯。 ぐりおに大うけ。
鯛おこわ。
この時期の鯛はめちゃくちゃ旨い。
以前大きな鯛を6月に釣ったけれどあれはマズかった。
6月の鯛は麦わら鯛と言ってまずいので知られているがこの時期のおいしい鯛はなんて言われているのだろうか。
あとガシラとベラ。
今夜どうやってたべようか・・・
きっと煮つけておしまいってとこだろう。