-ポケモンXY-皆繋来夢-

 

 

2015年9月21日から本編更新を開始。

全117話(+外伝など)に及んだ『ポケットモンスターXY』を元とした二次創作。

第1話更新から10年を記念して、【再掲載】で甦る。

カロス地方を舞台に、主人公・拓野(せきや)カルムとポケモンたちが届ける物語。

『皆で繋いで、来(きた)る夢』!

 

 

 

みんな、こんにちは!私は『三原サナ』。よろしくね!前回、プラターヌ博士に呼ばれてやって来たズミさんのレストランで、なんとあのカロスのすごく有名な女優のカルネさんと会っちゃった!私たちは別の部屋に案内された後、リョーな(リョウ)とセレナが何か話したみたいだけど…、その話の後セレナは戻ってこなかった…。セレナは私たちを置いて1人で行っちゃった…。セレナがいなくなっちゃった中、私たちは次の街を目指すよ。そしてカルルー(カルム)のお兄さん、ケイトさんってどういう人なんだろう…?カルルー、ジーナ先輩、デクシオ先輩。私たちにも教えて!

 

 

TR.16

継ぐ人

 

 

 

 

5番道路/ベルサン通り…

 

サナ「…セレナ。」

カルム「…セレナがいないだけで、こんなに不安になるなんて。」

ズミ「…。」

リョウ「カルム、サナ。セレナがいなくなったから進めなくなるわけじゃない。そうでしょ」

カルム「そうだけど。」

サナ「なんか…ね。」

ズミ「気分を変えよう。お茶にするか。」

カルム「今…?」

ズミ「あぁ。」

サナ「…ふぅ。やっぱり、ズミさんのお茶はなんだか安心するね。そうだズミさん!」

ズミ「なんだ。」

サナ「レストランはいいの?」

ズミ「心配するな。俺には信頼できる優秀な部下がいるからな。」

リョウ「リョウもお世話になっていた人が、今はズミさんの代わりをやってくれているの。あの人なら、リョウも心配ない。」

カルム「そうなんだ」

ズミ「何にせよ、もう慣れている仕事だろうからな。」

カルム「心配するな…か。」

サナ「カルルー?」

カルム「確かに…。リョウの言う通り、僕たちはセレナのことを信頼している。セレナならちょっと安心できる。そう思えるから…、セレナもセレナで頑張れるはず!」

リョウ「セレナはドンドン進む。いい影響を受けてカルムとサナも自分で考えて進めるようになったでしょうか…?」

ズミ「…やはりそう考えていたか。」

リョウ「…?」

ズミ「お前に関してはまた話す必要がある。いずれな。」

ジーナ「あら?あなた方は。」

サナ「あ、先輩!」

デクシオ「ここにいるということは…コボクタウンを目指しているようですね。」

カルム「はい。」

ジーナ「今は休憩中…の様子ですわね」

ズミ「2人分は用意できるぞ。飲むか。」

ジーナ「まぁ嬉しい。頂いていきますわ。」

デクシオ「僕の分もよろしくお願いするよ。」

ズミ「あぁ。」

サナ「そういえばここの6人で一番年上ってズミさんなんだよね。」

カルム「そうだっけ?」

リョウ「ズミさんは16だから。」

カルム「そうか。」

デクシオ「それにしても、レストランでは大変だったでしょう。」

ジーナ「博士にフラダリさん。それにカルネさんでしたものね。カロスの大物がこうも集結するとは、やりますわね。」

ズミ「あぁ。緊張はしたが、俺の腕と部下を信じた結果うまく行ったと思っている。自らを信じて初めて最高の味を出すことができるからな。」

デクシオ「これがミアレの3つ星、KANADEの総料理長。その言葉、心に響きますよ。」

ジーナ「トロバによればポケモンバトルの腕もあると聞きましたわ。いずれ機会があればお手合わせいただけるかしら?」

ズミ「楽しみにしておく。できたぞ。」

デクシオ「ありがとうございます。」

ジーナ「…。まぁ、美味しいこと!」

ズミ「ありがとう。」

カルム「ちょっと年齢層が高そうな話かな…?」

リョウ「ふたりは少なからず、ジーナさんがズミさんと勝負したいということはわかったのでは」

サナ「途中のズミさんが言っていたことは聞いたことあるかも。」

リョウ「〝自信とは…、自らを信じること。自らを信じてこそ味が出る〟。カルムとサナの勝負の時に言っていたやつね。」

デクシオ「ところでカルムくん。」

カルム「はい。」

デクシオ「少し切り出し辛いところはありますが。…ケイトのことです。」

カルム「兄ちゃん…?」

ジーナ「そうでしたわね。…ケイトがいなくなった時、一番近くにいたのはわたくしたちでしたわね。」

ズミ「…。」

サナ「先輩。」

ジーナ「なんですの?」

サナ「カルルーのお兄さん。ケイトさんってどんな人だったの?カルルーも…、教えてくれないかな。私だって、知りたいよ。」

カルム「兄ちゃんのこと?…そうだね。サナはあまり知らないもんね。」

サナ「セレナからは何度か聞いたことあるけどね。私は、ほとんど接点もなかったし。」

リョウ「リョウも聞いておきたいかな。」

カルム「…わかった。」

デクシオ「同じ時を過ごした身。」

ジーナ「わたくしたちもケイトのことをお話ししますわ。」

ズミ「カルム。話すことも大事だが、話すことでお前自身が辛くなることもある。辛くなったら、いつでも話をやめてもいいんだぞ。…苦しい思いを振り返るのは誰でも辛いことだ。」

カルム「…話すよ。僕の兄ちゃんのこと。…拓野ケイト。僕の2歳上の兄ちゃん。サイホーンレースで忙しいお母さんの代わりによく面倒見てもらってた。」

リョウ「サイホーンレース?」

サナ「カルルーとお母さんは元サイホーンレースの選手だから。」

リョウ「そう。レースの選手ということは、その世界で活躍していたということ。」

カルム「遊び相手に兄ちゃんを、僕とセレナで取り合ったこともあったっけ。いつも取られていたけど…。」

サナ「セレナらしい…。でもケイトさんの話になるとセレナの表情がちょっと変わってたのはセレナもケイトさんとよく接したからなのかも。」

ジーナ「これはケイト自身の口から聞いた話ですが。カロスの旅に出るのと、わたくしたちと同じ『選ばれし3人』プロジェクトに選ばれたことを期に、ケイトのお母様はサイホーンレーサーを引退したと。」

カルム「そう。…準備までの間はセレナもいつも来てた。」

サナ「だからあの頃なかなか遊んでくれなかったの…。」

 

~~カルム回想(2年前)~~

アサメタウン…

セレナ(11歳)「ケイト兄ちゃん!」

ケイト(13歳)「また来たのかセレナ。お前は最近いつも来てるな。」

セレナ「だってもうすぐ旅に出ちゃうんでしょ?会えなくなるの寂しいから。」

ケイト「そうだな。」

カルム(11歳)「大丈夫だよセレナ!兄ちゃんは絶対凄いトレーナーになるから!ね?」

ケイト「お、さすが俺の弟。それに俺はプラターヌ博士っていう博士から選ばれた人材!すっげぇでっかい期待の星ということだ!」

セレナ「ぷらたーぬはかせ?だれそれ」

カルム「…聞いたことあるような。」

ケイト「カロス地方を代表するポケモン博士!その人にお墨付きもらったってことだ!」

セレナ「すごーい!」

ケイト「俺の他に、あと2人同じようなやつがいるって聞かされた。俺と同年代らしい」

カルム「2人…?」

ケイト「あぁ。仲良くやっていければいいな。」

セレナ「あたしも早くポケモントレーナーになりたい!でももう10歳超えているし、なれるよね!」

ケイト「しっかりトレーナーズスクールは卒業しろよ~。」

セレナ「えーっ!」

ケイト「俺はトレーナーズスクールをしっかり卒業してトレーナーになる!だからカルムもセレナも、ちゃんと卒業してからなれ!」

カルム「うん!それが兄ちゃんと同じ道だから!」

セレナ「学校つまんなーい…。」

ケイト「ははは。」

 

旅立ち当日…

ケイト「…よし、こんな感じかな。」

カルム「僕も手伝ったんだから、絶対これでオッケーだね!」

ケイト「そうだな。」

セレナ「こんにちわー!」

カルム「セレナだ。」

セレナ「ケイト兄ちゃんのお見送りに来ました!」

拓野母「早いわね~。もうすぐケイトも降りてくると思うから。」

セレナ「はい!」

ケイト「よ、セレナ!」

セレナ「あ、ケイト兄ちゃん!…っとカルムなんかすっごくケイト兄ちゃんにベッタリしてる!?」

カルム「だって…悲しいし。」

ケイト「そうだな。」

拓野母「しっかり準備はできた?」

ケイト「あぁ。ごめん母さん、俺のために。」

拓野母「いいのよ。いつか来ることはわかってたから。博士によろしくって伝えておいてよ。」

ケイト「あぁ。」

セレナ「帰ってくるよね!」

ケイト「旅が終わればな。…行ってきます!」

拓野母「いってらっしゃい。」

カルム「頑張ってよ、兄ちゃん!」

ケイト「あぁ!」

~~~回想終了~~~

 

カルム「…でも、兄ちゃんは帰ってこなかった…。」

サナ「カルルーたちの話聞いていたら…、カルルーってセレナくらい明るい性格だったんだね。」

カルム「そうだね。」

リョウ「それじゃあ…、どういう経緯で…。」

デクシオ「ここからは俺たちが話すべきですね。」

ジーナ「お話しいたしますわ。」

 

~~ジーナ、デクシオ回想(2年前)~~

ミアレシティ…

ケイト「集合場所はここか。」

ジーナ「…あなたですか?拓野ケイトというのは。」

ケイト「あぁ。ということは…えっと、沖間ジーナさん?」

ジーナ「初めまして。デクシオも到着していますわ。」

ケイト「上品な話し方をするんだな。」

ジーナ「デクシオも同じことを言っていましたわ。」

ケイト「そうか。」

ジーナ「デクシオ、来ましたわよ。」

デクシオ「はじめまして。僕は日々谷デクシオ。よろしくお願いします。」

ケイト「拓野ケイトだ。よろしく!」

 

エイセツシティ…

ジーナ「フシギソウ、ソーラービームですわ!」

フシギソウ「フッソォォォォウ!!!」

クレベース「クレベェ…!」

ケイト「あと1発だジーナ!」

デクシオ「このまま決めてしまってください!」

ジーナ「言われなくてもわかっていますわ!フシギソウ、終いの一撃を決めますわよ!つるのムチ!」

フシギソウ「ソウッ!」

クレベース「ベェ…。」

ジーナ「やりましたわ!」

フシギソウ「ソォゥ!」

ケイト「やったな!」

リザード「リザァ!」

デクシオ「これで全員、無事カロスリーグに挑戦できますね。」

カメール「カメィ!」

ケイト「もうすぐだ…!」

……

ケイト「バッジは8つ。ついにカロスリーグ挑戦間近だ!」

デクシオ「博士の研究も手伝いながらのバッジ集めでしたが、いい経験になった。」

ジーナ「カロスリーグでは負けませんわよ!」

ケイト「俺こそ!…っと悪い。きずぐすり、買い足しておくの忘れてた。ちょっと待っていてくれるか。すぐに買ってくる」

デクシオ「事を先に進めてしまったか。」

ジーナ「目指していたカロスリーグが間近。無理もありませんわ。わたくしたちは先にゲートで待っていますわよ。」

ケイト「あぁ!」

………

デクシオ「……遅いですね。」

ジーナ「遅すぎますわ!」

デクシオ「連絡を入れても出ない。何かあったのか。」

ジーナ「ケイト…。」

~~~回想終了~~~

 

ジーナ「わたくしたちはすぐにプラターヌ博士にケイトの行方が分からなくなったことを連絡しましたわ。ですが、ケイトは見つからず。結局、わたくしたちはケイト抜きでカロスリーグに臨みましたわ。」

デクシオ「だが、それ以降は僕たちも知らない。カロスリーグ挑戦を間近にしていた時の出来事でありましたから。」

カルム「…そうだったんですか。」

デクシオ「カルムくんに本当のことを伝えるのはこれが初めてでしたが…、大丈夫でしたか?続けても」

カルム「…はい。僕は…、大丈夫です」

ジーナ「ケイトは今もどこにいるかはわかっていませんわ。…だからこそ、わたくしたちはプラターヌ博士の研究にも手伝いつつ、ケイトの情報を集めている。」

ズミ「…少し、間に入らせてもらってもいいか。」

ジーナ「なんでしょう」

ズミ「話の内容が話ではあるが、このまま暗い話を続けるのはお互いに酷であろう。カルムとサナの先輩として、二人の実力を見てやってくれないか。」

デクシオ「なるほど、面白いですね。」

ジーナ「それは名案。ぜひ乗らせていただきますわ。カルムにサナ、お相手よろしくて。」

サナ「え?あ、はい!」

デクシオ「ダブルバトルで勝負だ。」

カルム「なんだか急な話でびっくりしましたけど…、はい!」

……

リョウ「ズミさんが勝負を提案するなんて、珍しいですね。」

ズミ「あぁ。だが、このバトルでジーナとデクシオの思うことをカルムとサナは直に知ることができる…。言葉で伝わらないものも、勝負の中で伝わることもある。そう思ってな。」

デクシオ「カメックス、出番です!」

ジーナ「行きますわよ、フシギバナ!」

カメックス「カッメェェィ!!」

フシギバナ「バナァァァゥ!!」

カルム「カメックス…!フシギダネ、行くよ!」

フシギダネ「フシィッ!」

サナ「ゼニガメ!」

ゼニガメ「ガメッ!」

ジーナ「勘違いなさらないでよおふたりとも。これは勝ち負けを決める勝負ではありませんわ。」

デクシオ「お手並みを拝見させてもらいます!ハイドロポンプ!」

ジーナ「つるのムチ!」

カメックス「カメェェッ!!」

フシギダネ「バナァッ!!」

サナ「こうそくスピン!」

カルム「こっちも、つるのムチ!」

ゼニガメ「ガメェ!」

フシギダネ「フシィッ!」

カメックス「カメェッ!!」

ゼニガメ「ガメェッ…!」

フシギバナ「バナァァァゥ!!」

フシギダネ「フシィッ…!」

カルム「威力が…!」

サナ「これが最終進化形…!? プラターヌ博士の研究所で戦ったフシギソウとカメールとは全然違う…!」

デクシオ「この時点でわかりましたかね。ジーナ。」

カルム「…え。」

ジーナ「えぇ、デクシオ。わたくしもおそらく、同じことを思ったでしょう。…いいトレーナーですこと。」

サナ「どういうこと…?」

デクシオ「僕たちは旅を終えている。今きみたちが相手しているのは、その旅を共にしたカメックスと、ジーナのフシギバナ。」

ジーナ「今のあなたたちがわたくしのポケモンに勝つのは…失礼ながら無理ですわ。それでもあなた方は対抗してきた。それだけでも十分にいいトレーナーですわ。」

デクシオ「きみたちの実力はまだまだ。だけど、きっと僕たちを遥かに上回る実力を得るだろう。」

カルム「はい!」

サナ「私も、頑張ります!」

ズミ「どうやら、何か伝え合えた様子だな。試合は終了だ。よく戦った。カルム、サナ!」

リョウ「はい。見事な戦いでした」

 

 

ジーナ「わたくしたちはここでお別れですわ。」

デクシオ「僕たちも、陰からきみたちをサポートしていますからね。大切な後輩ですから」

カルム「今日はありがとうございました!」

サナ「次戦う時があったら勝てるようになりたいです!」

ジーナ「勇ましい後輩ですはね。さすがはわたくしの後輩、あの頃のわたくしに似ている気がしますわ。」

デクシオ「そうだな。その威勢、僕らも負けていられません。」

カルム「デクシオさんとジーナさんが言っている言葉。なんだか、兄ちゃんに似ているかも。なんだか、兄ちゃんを感じられた気がします」

ジーナ「嬉しい言葉ですわね。」

デクシオ「この上なく。」

ズミ「またお茶を御馳走しよう。」

リョウ「リョウも…、ちょっと教えてほしいところはあるかも。」

ジーナ「えぇ、いつでもどうぞ。」

デクシオ「では、僕たちはこれで。」

カルム「ケイト兄ちゃんと同じ道…、まずはバッジを8つ集める。目標ができた。」

ズミ「兄が成し遂げたことを目標とするか。いいんじゃないか。」

サナ「いいんじゃない!応援するよカルルー!」

リョウ「まぁ、ガンバレ。」

カルム「うん!…ケイト兄ちゃん、見ていて。僕、必ず兄ちゃんと同じ場所へいくから!」

ルカリオ「ルコゥラァ!」

カルム「えっ、何!?」

ズミ「ルカリオか。しかし、この辺り一帯で野生のルカリオに遭遇するとは考えにくい。誰かのトレーナーのポケモンか?」

?「あっ、すみませーん!」

カルム「このルカリオって…、キミの?」

コルニ「はい。急にごめんなさい。私はコルニ。兼満コルニ!よろしくね。」

カルム「え?…えっとその、うん。よろしくお願いします。」

 

-【TR.16 継ぐ人】 FIN -

 

〇 登場人物 〇

 

拓野 カルム

・フシギダネ

三原 サナ

・ゼニガメ

奏ズミ

明日夏リョウ

 

沖間 ジーナ

・フシギバナ

日比谷 デクシオ

・カメックス

拓野 ケイト(回想)

 

兼満 コルニ

・ルカリオ

 

 

◇ 初更新日 ◇

 

2016.1.7