↓風雲ライオン丸 第16話より
随分と久しぶりになってしまいました、ライオン丸について書くのは。
第16話「忍者の掟に明日はない‼」です。
ソニー・マガジンズから刊行されている
「ピープロ70’ｓヒーロー列伝２ 快傑・風雲ライオン丸」によると
「激論！ 獅子丸対錠之助シリーズ」とされるエピソードの１本。
いやこのネーミング、実に的確で、この一連のエピソードの性格を見事に言い当てている。
そしてこの「激論！～」のシリーズこそ、風雲ライオン丸という作品の白眉と言えるエピソード群でしょう。
↓ピープロ70’ｓヒーロー列伝２ 快傑・風雲ライオン丸
下忍「尾張より西方の下忍で生き残った者はマントルに屈服したようです」
三太夫「なに、マントルの手先になったと言うのか」
マントルは、忍者達を自分たちの戦力として取り込むべく、活動していた。
それに対し、甲賀の頭領：藤林三太夫はあくまでも服従しない考えであった。
三太夫「バカめ……命が惜しくなって身を売ったというのだな」
↓風雲ライオン丸 第16話より
冒頭から、今回のエピソードのテーマに直結するセリフが出てきました。
「命が惜しくなって」
命は大切です。
しかし、人によっては命よりも大切なものがあるかもしれない。
甲賀の頭領：三太夫にはハッキリと、命より大切なものがありました。 それは……
三太夫「皆の者、よく聞け。 いずれこの里にもマントル一味が攻撃を仕掛けてくるであろう。 しかし生きて敵の手先になることは断じて許さん。
我々忍者には掟がある。
その掟を破ることは……許されないのだ！」
↓風雲ライオン丸 第16話より
ここで三太夫は「忍者の掟」を口にします。
サブタイトルにも「忍者の掟」とあるので、
「掟」こそ、命よりも大切なもの という主張か？ と一瞬考えたくなりますが、実際作品を観ていくと、そうではないという事は分かります。
では「掟」でないのなら、命より大切なものはなんだというのか？
……内容の紹介を続けます。
マントル幹部：アグダーから、怪人ヤゴに命令が下る。
アグダー「同志・怪人ヤゴ、忍者頭：藤林三太夫を生け捕れ！
そして忍者共が我等一族の尖兵となるよう命令させるのだ」
ヤゴ「ははぁ！ マントル様に誓って」
ライオン丸「そうはさせん！」
ライオン丸登場！
↓風雲ライオン丸 第16話より
ライオン丸「アグダー、私の兄をはじめ、貴様のために大勢の人達が死んでいった。
これ以上の犠牲はこのライオン丸が許さん！」
アグダー「言いたいことはそれだけかライオン丸」
ライオン丸「この場で立ち合ってもらおうか！」
アグダー「やれ！（ヤゴに命令）」
ライオン丸「待て。 このまま逃がすわけにはいかん！」
追いすがるライオン丸であったが、アグダーは六能陣車で逃走してしまう。
ヤゴ「お前の相手はこの俺様で十分だ。 返り討ちにしてやるわ！」
怪人ヤゴは強敵で、彼の吐く白煙を浴びて、ライオン丸は崖から転落。
一敗地にまみえる。
↓風雲ライオン丸 第16話より
その様子を窺っていた者がいた。
錠之助だ。
↓風雲ライオン丸 第16話より
錠之助「獅子丸……狙いは良いと褒めてやりたいところだが、
アグダーを倒すのはお前には無理のようだな……」
そうです。 錠之助はその初登場エピソードからずっと「狙いはアグダー」と主張し続けているのです。 なので、今回の獅子丸のとった行動自体は、錠之助的には眼鏡にかなうようです。
しかし、錠之助、ライオン丸の敗北を傍観。
「快傑～」の錠之介ならここは傍観して過ごすなんてことはないと思うんですけどね。
やはり錠之助と錠之介は明確にキャラクター性に違いがある。
錠之助ってとにかく物事に対し「達観したがる」。
折角のアグダーを討つ機会なのだから、錠之助、ここは加勢してもよかったと思うんですけどね（笑）
あ、でもここでそれをやってしまうと、今回のエピソードのテーマから外れた行動になってしまうんですよね～。
（つづく）
