グリッドマンユニバースの感想の続きです。
・現実と、架空の物語
この映画、2作のTVアニメシリーズのエピローグにして、元となっている実写特撮シリーズに対するオマージュが詰まった作品でもあった。
実写特撮版の大きな特徴の一つとして、ドラマがあくまで主人公達中学生の日常生活中心であったことが挙げられる。
別世界からの侵略者:カーンデジファーから地球を守るという使命について、主人公達はちゃんと理解しているし使命感も持って行動しているが、彼らの生活が、我々の知る一般的な現実の生活から逸脱することはない。
そして、カーンデジファーとの戦いも、どこかサークル仲間がワイワイやっているノリに近いものがあった。
アニメのグリッドマンは、「学園祭という日常を守るために戦った」のだけれど、元の実写特撮版って「戦いが、学園祭とかの延長上にあるノリ」って感じなんですよね。
今回の作品では、学園祭で皆がワイワイやっているシーンで、実写特撮版のBGMがまんま使用されたりして、明らかにそのノリの再現を狙っていた。
実写特撮版のもう一つ大きな特徴として挙げられるのは、ヒーローも怪獣も、登場人物達が創造したものである、ということであろう。
怪獣は武史が、ヒーローやその装備・メカ群は一平がデザインした架空のもので、それに生命が宿った存在である。
今回はこの設定も活かす形となり、皆が描いたグリッドマンのイラストが、新たなグリッドマンのデザインに結実するクライマックスは、色々な意味で、胸が高鳴った。
いや~、よくぞこの設定を拾い上げてくれた! ってなもんです。
架空の存在であるヒーローや怪獣、そして架空の物語を生み出す楽しさと喜びが映画全編から溢れてくるような作品であった。
というわけで、
両TVアニメシリーズの申し分ないエピローグであり
ファンサービスがタップリ堪能できるお祭りであり
実写特撮版へのオマージュが詰まっていることが感じられる、
大満足な作品でした!
おまけ
昔作ったやつ。
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