ようやく、シン・ウルトラマン を観てきました。
ネタバレ有の感想の続きです。
数ある特撮作品の中でも、ウルトラマンに対しての思い入れは、私としても特別なものがあり。
この映画の感想では、当ブログは、枝葉末節へのこだわりや、マニア独特の自分の妄想を「こうであるに違いない」と、過度に一般化する領域に突入します。
頭のおかしいウルトラマン狂のオッサンが訳の分からないことを吠えているのだ、と思って軽く読み飛ばしてください。
真面目に読まれると、恥ずかしい。
ただ、それでも書いておかないと、気持ちが落ち着かない。
ん? いつも通りなのでは?
いや、書いている本人が、いつも以上にブレーキを緩める気満々です、という事ですよ。
以下、ネタバレ有
内容は……平成セブンまんまやん!
こう書くと、
「シン・ウルトラマンをパクリ作品だと貶めようというんだな! 許せん!」
と、怒り狂うファンの方もいるかもしれませんが、それは誤解です。
そういう話をしようというのではありません。
まぁ、作品を観終わった直後に出た素直な感想が、私としては
「内容は平成セブンまんまだったな」
ではあったわけです。
宇宙では「正義」「善」とされる存在が、地球人を宇宙から排除してしまおうとする。
ところが、本来ならばそれに従うべき存在である筈の「ウルトラマン」が、地球人の味方をして、守ってくれる。
しかしそれは、宇宙のルールには、背く行為であり……。
というストーリー。
シン・ウルトラマンや、平成セブン以外にも、実はウルトラシリーズではチョコチョコ見られるストーリーだったりする。
一番メジャーなところでは、ウルトラマンコスモスVSウルトラマンジャスティスでしょうか?
↓劇場版 ウルトラマンコスモスVSウルトラマンジャスティス THE FINAL BATTLE
コスモスの完結編的内容の映画。
未来において地球は、宇宙の平和を脅かす存在となるであろうという予測が出た。
その為、宇宙正義=デラシオンは地球生命のリセットを決定。
スペースリセッター=ロボット兵器が次々に地球に降り立ち、破壊活動を開始する。
地球人の可能性を信じるウルトラマンコスモスは、宇宙正義の決定に反抗。
スペースリセッターに戦いを挑むが、そこにかつて共に戦った仲間である
ウルトラマンジャスティス が登場。
宇宙正義の決定に従うジャスティスの攻撃を受け、コスモスは倒されてしまう……。
さらに、最終兵器=ギガエンドラが接近。
1000万度の高熱火球=イレイザーボールが地球を狙う……。
また、未映像化作品で「怪獣聖書」という物が存在する。
80年代に劇場用作品として企画され、脚本も完成していたのだけれど、残念ながら企画実現には至らなかった作品だ。
その作品では、地球人は宇宙の侵略者となるであろうと考えるカナンガ星人とウルトラマンが対立。
ウルトラマンは、地球人が宇宙の侵略者となるならば、自分の手で地球人を滅ぼそうという結論に至る。
↓ウルトラマン 怪獣墓場
脚本家 佐々木守さんのシナリオ集です。
この本に、怪獣聖書 も収録されており、
その内容が多くのファンに知られることとなったのです。
そして、平成セブン。
地球防衛軍の「フレンドシップ計画」。
それは、地球の平和を脅かしうる生命体の存在する惑星を、先制攻撃することで滅ぼし、地球を防衛する計画である。
(余談:もろに、現在、現実に与党自民党が進めている「反撃能力」ってやつで。
平成セブンは、あくまでフィクションだったはずですが……。
フィクションじゃなく、もう、現実になりつつあるのですね)
地球人のその危険な行動を危惧するウルトラセブン。
「人類はまだ続けているのか……。
血を吐きながら続ける悲しいマラソンを……」
セブンの心配をよそに、地球人は、対立したヴァルキューレ星をワープ航法ミサイルにより破壊。全滅させる。
なぜ地球防衛軍はそこまでの行動に出るのか?
それには、セブンすら知らなかった、地球人類の真実があった。
実は現在の地球人類とは、かつて地球で平和に暮らしていた地球人=ノンマルトの文明を滅ぼした、侵略者の末裔だったのだ。
そしてわずかに残っていたノンマルトの末裔と、現地球人は対立する。
現地求人は、数万年前の先祖の罪を背負って、裁かれなければならないのか?
宇宙の掟に従えば、セブンはこの事件には介入してはならない。
しかし、現在の地球人を愛してしまったセブンは、ノンマルトが出現させた守護神獣ザバンギを倒し、現地球人を助けてしまう。
そして、ウルトラセブンはM78星雲の同胞達によって、罪人として裁かれ、小惑星へ幽閉されてしまう。
しかし、セブンの心に後悔はなかった。
愛するものを守る。
それは宇宙共通の真理であるのだから……。
↓平成セブン
平成セブンってのは、いわば「愛称」で、正式なタイトルではありません。
さて、ここまで読んでいただければ分かる通り、
「ウルトラマン」が、宇宙のルールに背いてまで、地球人を守ってくれる
という内容の作品はいくつもあり、(上記以外にも、あります)
特段、平成セブンとシン・ウルトラマンの両作だけに類似点があるわけではありません。
私が、「平成セブンのまんま」と感じたのは、単に「両作共、子供より大人をターゲットにしていた」という事からくるムードの類似によるものでしょう。
ただ、私個人としては「平成セブンと同じ」と感じることで、妙に安心感が得られたんですね。
平成セブンとの類似だけではありません。
ヒロインに「いってらっしゃい」と、最終決戦に送り出される主人公。
これ、平成以降のシリーズの、ド定番シーンなんですね。
つまり、「ああ、平成含めて、過去シリーズと断絶していない」と感じられて、嬉しかったのです。
今回のシン・ウルトラマンのような 原点回帰にして、革新 みたいな企画の作品って、往々にして過去の(1作目を除く)作品との断絶……下手をすると、積極的な過去作の否定を感じさせる作品になってしまうことがあるんですね。
ずっとシリーズを応援している、私のようなファンにとって、結構これ、辛いんですよ。
で、「シン・ゴジラ」には、その「断絶」が、ハッキリ言って感じられたでしょう?
さらに言うと、ウルトラシリーズは、過去にそれをやらかしていて「グレート」とか「パワード」とかは、積極的に第2期とか第3期と呼ばれているシリーズとの断絶がありました。
不安だったんですよ。
また、そういう断絶を観ることになるのかもしれないと思って。
なお、映画鑑賞直後の飲みでは私が「平成セブンまんまやん」と発言したところ、その真意を詳しく説明する間もなく、「パクリだと非難したいのか?」と感じたらしい友人が一人。
で、それにより飲み会のムードが悪くなることを懸念したのか、さらに別の友人が「いや、高田さんは、『シン・ウルトラマンに先駆けること数十年、同じことをやっていた武上純希(平成セブンの脚本家)凄い!』っていう、武上アゲをしたいんでしょ?」と、話をうまく軌道修正。
その後は武上純希の話題でその場は話が続いていったので、どうも、私が本当に言いたかったことは言い出せずに終わってしまった(笑)
ここで吐き出せて、良かった。
(つづく)……いや、続かないかもしれない……どっちにするか、まだ決めていません。