このところ、どうにもこうにも 何を読んでも面白く感じない という、読書に関して大変困った状態に陥っていた。
心が死んでいる……。 物事に、無感動になってしまっては、いかん。
というわけで、リハビリ(?)の為、新規開拓はやめて、過去、面白いと思った作品の再読をすることに。
……半分本当で、半分、嘘ですが。
実際には、明日発売の アンデッドガール・マーダーファルス の3巻 をとても楽しみにしていて、この本なら、最近の私の何を読んでも面白く感じない状態を打ち破ってくれるに違いないと期待している次第。
↓アンデッドガール・マーダーファルス 3巻
で、3巻を買って読む前に、1、2巻を再読しておこう、と思って本棚を漁っていたら、先に目についたのが
午前零時のサンドリヨン
で、まぁ私もいい加減なもので、「こっちの方がリハビリ向きかもしれん」と、再読することとしたのです。
↓午前零時のサンドリヨン
いや、もう、私の中では 学園青春ミステリ・マイベスト5 に、確実に入ってくるのがこの 午前零時のサンドリヨン と、 ロートケプシェンこっちにおいで の2冊からなる 酉野初シリーズ なのです。
↓ロートケプシェン、こっちにおいで
非常に「ボーイミーツガール小説」の趣が強い作品で、何と言うか、「こんな青春時代を送りたかった!」という感じではあるのですが、細かいところに妙にリアリティがあり、それゆえに読んでいて「青春時代へ回帰」したかのような感覚が味わえる作品です。
楽しいラブコメを読んでいる感覚じゃなくて、しばし、青春時代へ意識が飛んでいくんですね。
現実の自身の青春時代の記憶が、思い出が、刺激されまくって、ガンガン脳内に浮かんできます。 卒業アルバムをめくっているような感覚ですよ。
いや、推理小説ですけどね、あくまでも。
僕=須川は、クラスメイトの酉野初に恋をしてしまった。
彼女は、クラスの中ではちょっと浮いていて、孤独を好むというか独りでいることが多いのだけれど、別にいじめにあっているわけではなくて、友達からは「初」という名前が由来の おニュー というあだ名で呼ばれている。
そしてそんな彼女には皆が知らないある秘密が。
実は彼女は、放課後、レストラン・バー サンドリヨン で、マジシャンとしてアルバイトをしていたのだ。
教室での不愛想な彼女と違い、客にマジックを披露する彼女は、とても素敵な笑顔で……。
サンドリヨンの常連客となってしまった僕。
なんとか彼女と会話をつなぎたい一心で、自分が体験した不思議な事を話して聞かせると、なんと彼女はたちどころにその謎を解いてしまう。
彼女は人並外れた洞察力を持つ、名探偵キャラでもあったのだ。
何度も読んでいるが故、新鮮な感じはしなかったのですが、再読してもやはり面白かった。
このまま、同じ作者の マツリカ シリーズ を再読しようかどうか、迷っている次第。
男子高校生を語り部に、ミステリアスな美少女が探偵役で、日常の謎を解く、という、酉野初シリーズと同様の基本設定ながら、こちらは主人公の妄想力がふんだんに発揮された結果、女子高生の太腿のビジュアルばかりが脳内に浮かんでしまうという困った小説で(笑)。
似た構造ゆえ、こちらを初めて読んだ時は、酉野初シリーズの、なんか素敵なキラキラした印象が木っ端微塵に打ち砕かれた気がしたもんです。
↓マツリカ・マジョルカ
マツリカシリーズ 1作目。いやマジで、この本を読んだ事のある人に「何が印象的だったか」という感想を求めたら、10人中8人は「女子高生の太腿」と答えるのでは(笑)
うん、それなりにリハビリ効果はあったようです。
ちょっと、読書に対しての興味が戻ってきました。