ウルトラマンZ
第11話「守るべきもの」 感想(ネタバレあり)です。
おやおや、皆さん思ったと思うのですが、てっきり、
キングジョー・ストレイジカスタム 鮮烈デビュー!
レッドキングを相手役としての大活劇編!
かと思いきや、
なかなかにテーマ性の強いドラマ編でした。
……予告は、ミスリード……つ~か、ほぼ詐欺でしたな。
↓第11話の予告編。 ……詐欺だぁ~~~(笑)
レッドキングが2体で、しかも つがい だとぅ!?
なんかいきなりパワードネタをぶっこんできましたな。
あ、別にそういうわけではない? こりゃ失礼……。
↓ウルトラマンパワード。
こちらも、レッドキングは2体登場。で、夫婦。
登場する怪獣や宇宙人を、単なる悪、以外の捉え方をするエピソードは、シリーズ1作目のウルトラQから度々制作されており、それこそ、「共存」をハッキリとテーマとして謳っている「コスモス」や「タイガ」といった作品もあるわけで。
今回、ハルキとZは、卵を守っていただけ、というレッドキングに対しては、「退治しない」という選択をしました。
「コスモス」がやったような「積極的に保護し、共存の道を探る」というところまでは踏み込みませんでした。
が、そこまで踏み込まない方が、むしろリアリティが感じられ、深みを感じる、という方も多いかと思います。
個人的には、踏み込んだ系の作品の方が好みですが、踏み込んだ瞬間、『理想的に過ぎる夢物語と化してしまった』ように感じる、という感覚はあると思いますし。
私自身、そう感じる作品に多く出会っている気がするし……。
そもそもこういうテーマを扱った作品は、「その決着のつけ方のさじ加減一つで、大きく作品の印象が変わる」という、難しい題材で、ゆえに、「賛否両論を巻き起こす作品が生まれることも多い」、実に興味深い題材です。
この、「勧善懲悪ヒーロー物」をベースにしつつ「敵を単純な悪としては描かない」という題材に、ウルトラシリーズで積極的に挑んでいたのが「タロウ」。
↓ウルトラマンタロウ
シリーズ中でもトップクラスの人気と知名度を誇りながら、こと、特撮ファンの間ではアンチファンが大量に存在することでも知られている、複雑な立ち位置の作品。
私は昔からタロウファンであることを公言してはばからなかったが、初対面の特撮ファンの方々と交流があった場合で、「タロウ好きです」と発言したら、その瞬間、相手からは「あ、こいつまともな審美眼を持ってない奴だわ」という、軽蔑の視線が飛んでくるという(笑)。
そのエピソードとしての決着のつけ方は非常にバラエティに富んでおり、
・人間の方にこそ、非があると感じられるもの
・現状、共存は不能と判断され、冬眠させられるもの(今回のZは、このパターンのバリエーションですな)
・怪獣にとってもこちらの方がいいだろう、というより良い環境へタロウが連れて行ってあげるもの
・懲らしめて終わり
・お説教して終わり
・人間との共存が成立
と、様々である。
きさらぎ星人オニバンバ、みたいな、完全な悪役ですら、懲らしめただけで逃がしてやる。
結果タロウは、「シリーズ中でも最も強くてカッコイイ」「シリーズ中でも最も優しい」という、ある意味相反する特徴をしっかりと兼ね備えたヒーローキャラクターになる。
数十年の歴史の中で、トップクラスのキャラ人気を誇っているのは、伊達じゃないのである。
Zとハルキは、そういったキャラクターに成長できるか!?
現状、作品そのものが全体的に 陽性 であることもあって、「結構、はじける可能性あるんじゃないか?」と、個人的には期待しております。
え~と、なんか、今回のZの感想じゃなく、タロウの話をしていたような気もしますが、今回のZ、
タロウやコスモスにのれない、でも、やたら悲劇的なエピソードが見たいわけじゃない、という人のストライクゾーンに入っていたんじゃないかな? と思うのでした。
さて次回!