職場の近く……と言っても、徒歩で15分くらいかかる程度には離れていますが。
図書館が、コロナの影響で休館になっていたのが、ようやく開館した。
嬉しい。
昼休みにはそこに出向き、ほんの20分程度だけだけれど、読書をするのが、楽しみなのだ。
数か月ぶりだよ。
再開1冊目に選んだのは、折原一さんの本。
なんと言うか、再開一発目から、あまり冒険はしたくないので、好きな作家さんで、尚且つ未読のものに手を出してみることとしました。
今回選んだのは、これ
↓遭難者
まだ冒頭部分しか読んでいませんが、
なんとも、奇怪な本です。
箱入りで、2冊に分かれており、1冊目が、
遭難事故で無くなった、ある青年の追悼本 という体裁。
いやこれが、恐ろしくリアリティのある、凝った作りで、
まず見た目が、いかにも自費出版で、山岳会のメンバーが仲間の死を悼んで作った本、という感じ。
で、活字ではなく、手書き文字による、遭難した青年が生前母へ送ったハガキが載っていたり、
山岳会メンバーの集合写真(イラストではなく、本当に写真が載っている)
母の手記やら、山岳会の会長(だったかな?)の報告やら、
マジで完全に1冊目は「追悼本」そのものといった作り。
しばらく読んで、もしかして、マジの追悼本を誤って手に取ってしまったかな? と疑うレベルの凝りよう。
でも、ちゃんとカバーに小さく「書き下ろし長編ミステリー」みたいに書いてあったので、どうやら、間違いではなく、こういう本らしい、と。
作品が面白いかどうかは、読み終わってみなければなんとも、だけど、こういう本にした、ということ自体が、作品のキモなのだろうから、まぁ、試みが面白い、というのは、もう間違いない。