どうも、架空戦記物は、私には合わないみたい | 無敵動画堂高田のブログ

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無敵動画堂 というサークルで、アマチュアアニメを製作している者が、アニメや特撮について語ります。

 通勤中に読む本だが、たまには気分を変えて、普段全く読まないジャンルの物を読んでみよう、と、ある架空戦記物を手に取ってみた。

 失敗だった。

 どうも、架空戦記物は、私には合わないみたい。

 

 何というか、作者は、中国や韓国や日本の左派勢力に、一体どんな恨みがあるのだろう?

 と、疑問に思えてくる。

 中・韓・左派への憎悪のパワーが凄すぎて、物語の本筋を圧倒している。

 私の手に取った作品が、というのではなく、架空戦記物全体に(中・韓・左派への憎悪は)若干ある傾向だろう、とは思っていたので、

 そこはそれ、こちらも多少の心構えは出来ていて、そういうものだ、と割り切って読むつもりだったのだが……。

 いや、想像以上に凄いわ、中・韓・左派への憎悪のパワー。

 というか、彼等への侮蔑のパワー?

 単に悪役として彼らを描く、という以上に、左派は

 卑怯で、卑劣で、残忍で、私利私欲の塊で、そして無能、として描かれる。

 で、そういったキャラの名前に「アサヒ」とか「レンホウ」とかつけるの、ホント……カッコ悪い。

 

 最初の数ページで、

 あ、こりゃダメだ。少なくとも、まともに楽しむことは出来そうにない

 と分かったのですが、

 かといって折角借りたのだし、読む時間があるのに電車に乗っている時間 ボケ~としているのもつまらないので、一応読み進めた。

 もう途中からは、

 どこまで私の感性と合わないのか、チェックしてみよう

 というのが興味の中心になっていた(笑)

 だって、上記の「憎悪パワー」はともかくとして、話自体が、全然面白くないんだもん。

 

 何というか、あまりにも出てくる主人公側の軍(要は自衛隊)が、無敵すぎて、まともに危機らしい危機に陥らないのだ。

 敵である韓国人や共産主義者が、あまりに無能で、

 バトル物としてのパワーバランスが、悪すぎる。

 最初から最後まで怪人が出てこず、ひたすらライダーが戦闘員をボコっている 仮面ライダーを観ている感じ?

 いや、もちろん、作品冒頭とかが、そういう入りなのは、いいんですよ。

 クライマックスでちゃんと緊張感あるバトルをするなら。

 または、主人公たちの無双シーンを描かず、ために溜めて、クライマックスで一気にそれを解放する、というのなら、分かる。

 破裏拳ポリマーとかのパターンです。

 なんか、そういうのと、全然違う。

 

 軍、というだけでなく、主人公、というキャラに対しても、なんで周囲の人間はここまで彼を信頼しちゃうの?(初対面の人間でも、わずか数ページで、殆ど主人公の信者と化す)

 なんで、主人公が言ったことは、「一か八かの賭け」みたいなやつでも、全てが上手くいくの?(少し位そういうシーンがあってもいいが、とにかく何でもうまくいく)

 なんか、努力するあたりが「時間との戦いの中、彼は〇日間殆ど不眠不休でとり組み、そしてやり遂げた」みたいな、さらっとした描写なの?

 その、不眠不休で頑張っているところをきちんと描写してこそ、読者は主人公に がんばれ! ってエールを贈りたくなるんでしょ?

 この作者、まともにキャラを(主人公ですら)描きこむ気がないのか?

 

 それと、なんか物語を読んでいるんじゃなくて、ひたすらデータの羅列を読んでいるような気分になってくるんですよね。

 作者がそういうのが好きなのはわかるんだけど、やたら兵器の名称と性能に関する記述が詳細で。

 もう、そういうのは、書いた方が効果的、と思われる場面だけでいいから、話を進めろよ、テンポ悪いぞ、と思うのですが、とにかく、兵器のスペックを書き込みたいらしい。

 兵器以外でも、とにかく「あまり一般的ではないと思われる難しそうな言葉の羅列」に、なんかかなり情熱を注いでいるようで、読んでいて疲れる。

 あと、クラウゼヴィッツの 戦争論 が、この作者が滅茶苦茶好きなのは、嫌という程伝わってくる作品だった。

 いやホント、読んでいて、嫌になってきた。

 だって、何度も作中にこの論文の話題は出てくるが、具体的にどういう内容なのかは、あまり伝わってこないからだ。

 主人公たちは、当然この論文を完全に読み込んでいる設定で、それを前提に周囲の人間と会話をする。

 まさか、この作者、

「知っていて当然の基礎教養レベルの論文なので、『戦争論』くらい読め」

と、読者に語りかけているのだろうか?

 

 いや~、10年近く前だったかなぁ?

 以前にも一度、架空戦記物に挑戦したことがあって。

 その時、手にした作品は、あまりに沖縄の方々への蔑視が酷いと感じられ、その際も

どうも、架空戦記物は、私には合わないみたい。もう、読むのはやめよう。

 と思っていたんだったよなぁ。

 

 今度こそ、もう、いわゆる架空戦記物には、二度と手を出さないでおこう、と決心をしました