銀河旋風ブライガー その106(第29話「たそがれの挑戦者」(その1)) | 無敵動画堂高田のブログ

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無敵動画堂 というサークルで、アマチュアアニメを製作している者が、アニメや特撮について語ります。

 

 

 先日ブログに載せたブライガーの顔、折角描いたので、清書して色を着けました。
 ブログの見た目を派手にするため、貼っておきます。
 
 
 カルナバルの嵐 前後編、
 殺るのは奴らだ 前後編
 という、二つの前後編に挟まれてしまった単発エピソードなのですが、
 決して埋もれることなく、かなり強い印象を残すエピソード。
 アイザック編です。
 
 アイザックを探して、アステロイドをうろついている連中がいる……ポンチョからその情報が寄せられた時、当のアイザックは、一人、仲間から離れ、地球を訪れていた。
 彼の胸に、悲しい過去が蘇る。
 無実の罪で捕らえられ、獄中死した父……。
 父の墓参りを済ませ、伯父マルトフの元を訪れるアイザック。
 その時、見かけた母には、父の非業の死を乗り越えた、明るさがあった。
 出迎えた執事に、自分が来ていることは母には知らせぬよう告げると、アイザックは伯父との対面に臨んだ。
 わざわざ自分と再会し、父の事を思い出させるのは、忍びない。
 
マルトフ「アイザック、私の最後の頼みだ。聞いてくれないか」
アイザック「……伯父上、今まで随分お世話になりましたが、しかしこのお話は、お引き受けいたしかねます」
 マルトフは、アイザックを、地球連邦政府に迎え入れようとしていたのだ。
 国家間の戦争こそなくなった現在の地球。
 しかし、裏ではコネクションという悪の組織の権力が増大し、その力はもはや連邦政府を凌駕する。
マルトフ「今では正義は、この黄昏の景色のように色あせていく一方だ……
 アイザックの才覚を知っているマルトフは、何とかアイザックに政府の一員となってもらい、コネクションと対抗できるだけの正義の力を、政府に取り戻したかった。
アイザック「……伯父上、もう遅いんです。
 私一人が加わったとて、国家の権力の芯まで浸み込んだコネクションの毒を追い出すことは出来ません。
 私は私なりのやり方で、父の遺志を継ぎます。
 父が、いわれのない罪で、自殺に追いやられたのは何故です!?
 当時幼くて私は知らなかったが、父は一人で、地球連合政府と、コネクションと結びつく太陽系開発局を引き離そうと努力していた。
 その父を見殺しにしたのは誰です!?
 救えなかったのは誰ですか!?
 今、国家が振るう正義は、遅すぎるんです……!
 
 夕日を浴び、普段より陰影をグッと強調した画面で、次第に感情を抑えられなくなっていくアイザックの怒りが表現されていて、このシーン、実にカッコいい。
 サブタイトルの、黄昏の、がこのシーンを示すのは分かるのですが、では「挑戦者」とは?
 
アイザック「日は沈んでもまた昇る。
 今の世界が黄昏時なら、私はその中で、自分の思う様に生きたい……!
 マルトフに、自分の決意を語るアイザック。
 マルトフは、彼の説得が、今は届かぬことを悟るのであった。 
 
 基本的には、「挑戦者」は、アイザックのことを示している、でいいと思います。
 が、私は個人的に、伯父マルトフもまたサブタイトルの「挑戦者」の一人であった、そういう意味が込められたサブタイトルであったと思いたいです。
(続く)