銀河旋風ブライガー その13(第1話「情け無用のJ9」その7) | 無敵動画堂高田のブログ

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無敵動画堂 というサークルで、アマチュアアニメを製作している者が、アニメや特撮について語ります。

 

 

 先日ブログに載せたブライガーの顔、折角描いたので、清書して色を着けました。
 ブログの見た目を派手にするため、貼っておきます。

 夜空の星が輝く陰で
悪(ワル)の笑いがこだまする
星から星に泣く人の
涙背負って宇宙の始末
銀河旋風ブライガー
お呼びとあらば即参上

 

 当時、アニメファンの間で流行していた「子供向けでは無いドラマ」というのは、ニアリー・イコール「悲劇」であった。(断言(笑))
 そういう流行に沿って作られるなら、やはり
第1話で悪役をしっかり描き、
彼等が如何に悪逆非道であるかを描写してこそ、
とも思うが、この番組は違った。
 従来のロボットアニメをはるかにしのぐ「ノリの軽さ」を視聴者に示した。
 そしてこの番組はもう一つの当時のアニメファンの流行=「従来的な(子供番組然とした)イメージの否定」をやってのけた。
 こちらはニアリー・イコールなんかじゃない。
 ハッキリと、「イコール」だったと断言したい。
 当時のアニメファンの間では、「従来的な(子供番組然とした)イメージの否定」を行う作品は、「良い作品」と評するのが流行っていた。
 なので、「あれ、子供向けじゃないよ」と、子供向け番組に言うのは、「誉め言葉」であった。
 
 閑話休題
 
 ヒーローとは、基本優しい。
 例え悪人でも、そう簡単には殺さない。
 しかしJ9は、その辺り、躊躇しない。
 それをハッキリ見せたのがこの第1話であった。
 
 企画設定書ではJ9メンバーの事を、こう書いている
 
 「正義のためとはいわないぜ
  ムカつく野郎をうちのめし
  おまけにゼニが入ればもうけもの」
 徹底したクールガイとクールギャルがわがもの顔で暴れまくる。
 
 第1話というのは、「この番組は、こういう作品ですよ」という、プレゼンである。
 だから、第1話で示された要素は、視聴者にとって、基本の情報となる。
 
 ブライガーは
・従来の子供向け番組のヒーロー像(いわゆる「清く正しい正義の味方」)とは異なる「無法者」に近い奴等が
・洒落た会話を交えつつ
・許せぬ悪をなぎ倒す、痛快無比のSFアクション
 というイメージを、第1話で、視聴者に印象付けた。
 
 これが大成功。
 今でも、そういう番組だ、という印象を持っている人も多いのでは?
 番組をちゃんと観た人でさえ。
 無論、スタッフの狙い通りであろう。
 
 で、ブライガー、実際はどうだったかというと、
 「痛快無比」なエピソードはあまり見られず、
 多くの回は、「ちょっと切なさ漂う」哀愁エピソードなのだ。
 にもかかわらず、(上述の通り)番組を観た人でさえ「痛快無比のSFアクション」という印象を基本イメージとして持っている。
 第1話の功績大と断言してよかろう。
 
 ちょっと凄くないですか?
 
・(アニメファン好みの)「悲劇」イメージ
・(従来の子供向けとは異なり新鮮味のある)「無法者的ヒーロー」イメージ
 という、作品の実像に加え、しっかり
痛快無比のSFアクション」
 というイメージをも 持つ作品になったのですから。