ゴーバリアンの作画をしつつ、作業中に流しっぱなしにしていたのが、
宇宙刑事シャイダー
↑もう、十数年前に描いたシャイダーです。
この時 研連に出したアニメ作品で、「蘊蓄パート」があり
(アニメ、特撮作品で
・1年以上に渡って放送された作品で
・劇場版等、番外編的な作品も含め、全ての脚本を一人で書き上げた脚本家の方は、数えるほどしかいない
という事を解説するパート)
その時の為に描いた絵でした。
なんか……。もうちょっと丁寧に描けよ、と当時の自分を叱咤したくなります。
まぁ、何度も観ている作品なので、内容は頭に入っている……のだが、改めて観返し、
その面白さ、先見性に驚かされた。
本作の敵、フーマが、宗教集団じみている事などは有名だとは思うけれど、改めてその要素の凄さに圧倒されたというか。
武力ではなく、洗脳的な侵略手法を悪がとってくる、というのは、脚本家の上原正三さんが好んで使うテーマだけれども、この作品では、特にそれが顕著。
何が怖いって、
フーマのとる戦略は、その多くが
人の願いを叶えてあげる
というものであること。
いじめられている子には優しい言葉をかけ、いじめっ子と戦える力を与える。
子供の成績が悪い事に悩んでいる家庭には、良い成績を出せる子供の身代わりロボットをプレゼントしてあげる(子供自身も、これで勉強しなくていい、と喜ぶ)
ライバルがいて代表になれないスポーツ選手の為に、ライバルとなる選手を事故に見せかけて傷つけ、当の選手にチャンスを与える。
家に居ながらにして、買い物ができ、勉強する事もでき、仕事も在宅勤務可能で、お金も低金利で借りることが出来る、システムとコンピュータを与える。
生活苦からバイトする若者達に、現状を打破する(リセットする)手段は、戦争だ! と説く。
問題児とされていた子供達に、大人の見ている前では善行を行い(町のごみ拾いや、老人の手助けなど)、普段の欲求不満を陰湿ないじめを行うことで解消するよう、教育する。
これらによって、時に人々は堕落し、時に暴力的になっていき、時に無気力になり、
容易に強力な支配者であるフーマを受け入れてしまう……
すげぇ。なんか、フーマの侵略は、現代において、着々と進行しているように思えてくる。
本放送当時、この番組は、
家庭や生活に直結しているネタが多く、
それはなんだか、
一話完結ではなく連続性を強調し、
専門用語とかを多く台詞に織り交ぜたりする、
シリアスでハードな、
当時流行のリアルロボット物に比べ、
もの凄く 子供向け=幼稚な作品 と受け取り、
若干の物足りなさを感じていた私・・・・・・。
観返してみて思う。
多分シャイダーの方が、凄い作品だ。
(リアルロボットアニメだって、今でも好きだけどね)