![](https://thumbnail.image.rakuten.co.jp/@0_mall/surprise-web/cabinet/imgr0115/lcdv-81168.jpg?_ex=500x500)
¥4,104
楽天
(続き)
ガラダイン軍・宇宙要塞デモンドスのドムソン指揮官は、脱走者・メリアに対しての、抹殺部隊を編成していた。
ドムソン「メリアを助けようとする者も容赦するな!」
そして、レイドの特攻によりジェノサイダー・ドグロスを破壊された、クリストであるが、彼は生きていた。
傷も癒えたものの、ドクロスは完全に破壊されてしまったため、宇宙要塞デモンドスへ帰還することも、連絡することもできないでいた。
しかし、彼は、まだ自分がもう戦闘隊長ではないこと、敗北者としてすでにガラダイン軍から追われる身になっていることを、まだ知らない。
父の死を悼み、悲しみの中にいるライラを元気づけようと、アトラスは彼女を連れ、母のいるわが家へと赴く。
突然帰ってきた我が子に、驚きと喜びを隠せない、アトラスの母。
そしてアトラスが連れてきた女性にも。
ライラ「初めまして、ライラです」
アトラスの母「ほんとにこの子は私を驚かせてばかりだよ。生まれた時は大きすぎて驚いたし、超能力があるっていうし。 その上今度はガールフレンドかい!
まさか借金取りにも見えないけどねぇ」
豪快で、明るい、アトラスの母。
なんと彼女は、久しぶりに会った息子を、客扱いするつもりはないらしく、さっそく薪割りの仕事を言いつける。
そして、ライラにも。
アトラスの母「ライラは洗濯を頼むわ」
アトラス「なんだって? 母ちゃん、ライラは一応お客だぜ」
アトラスの母「何言ってんだい? いい若いもんがブラブラしちゃ、良いことないよ?」
ライラ「私、手伝うわ」
アトラス「ライラ?」
ライラ「やらせて、お願い」
ゆっくり体と心を休めてほしい、と思っていたアトラスには、不満が残ったが……。
ライラ「嬉しいわ、お母さんの心遣い」
アトラス「いいんだぜ? 無理しなくてさぁ」
ライラ「お母さん、私を忙しくすることで、寂しさを紛らわせてくれようとしてくださってるのよ」
アトラス「俺にはこき使ってるとしか思えないぜ」
ライラ「アトラスもお母さん似ね」
ライラには、アトラスと、アトラスの母が自分のことを思いやってくれる気持ちが、
そして、自分を家族のように迎え入れてくれることが、嬉しかった。
鼻歌を歌いながら、上機嫌で洗濯をしているライラの後姿を見て、アトラスも薪割りに精を出すのであった。
ライラ、どうやら「家庭的な雰囲気」に憧れがあったようで、招いたアトラスが困惑する中、ずっと上機嫌で、額に汗しながら洗濯をしています。
「家事」にもあこがれがあったのかもしれません。
父との確執があった彼女は、同じような境遇のイサムに、一旦は共感を求めました。
しかし、ライラの心の平穏は、同じ境遇の者に共感を求めるところにはなく、全く別の境遇:暖かな家族との絆を持っている者達と触れ合うことで得られたのです。
ライラに共感を求められたとき、イサムは彼女とは違い、父に対して理解を示す、という考えを持っていました。
でも、仮にあの時、イサムがライラに共感し、ともに、家族と分り合えない悲しみを共有したとしても、ライラに笑顔はやってこなかったと思います。
ライラには、温かい家族が必要だったのです。
……前話(第9話)の脚本は田口勝彦さん。
今回の脚本は渡邊由自さん。
……別の方が執筆されているの? 同じ脚本家でなく?
あまりに見事に前回を汲んでの今回のエピソードなので、別の脚本家の手によるもの、ということに驚いた。
一方、デモンドスへ帰還する為のジェノサイダーを手に入れるべく、クリストはメリアを狙った。
彼女の元には、ジェノサイダー・ザリウスがあるはずだ。
超能力でメリアのアジトを探知し、そこを急襲するクリスト。
二人を狙う暗殺部隊も迫る。
そして、メリアのアジトは、不幸なことに、アトラス達のいるところから、そう離れてはいなかった。
心穏やかな時は、長くは続かない。
ライラの予知能力は、
やがてここが戦場になることを察知したのであった……。
(続く)