ゲッターロボ號 VOL.4
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(続き)
枝葉末節的な話だが、メタルビーストは基本的に「漢字表記」の名前が設定されているのだが、ナルキスのメタルビーストのみ、漢字表記は無し、という形で統一されており、彼の異質さを細かい部分からも補強している。
メタルビースト・ヘラクルスがやって来たのは、超高層ビルの工事現場であった。
資材として置いてある鉄骨群を手も触れずに浮遊させ、ゲッター翔を攻撃するヘラクルス。
由自「念動力、サイコキネシス……!」
翔「なんですって!?」
剴「またわけのわからん魔術を使いやがって……」
號「翔、フォーメーションゲッター號だ!」
チェンジし、建設中の超高層ビルの屋上へと着地したゲッター號。
ナルキス「いよいよ出てきたな、一文字君」
どうやらナルキスは、前回、本能でナルキスの超能力を打ち破る、という荒業を見せた號を、多少はライバル視している様子。
この「一文字君」という呼び方、ナルキスを演じた堀川亮(現:堀川りょう)さんの演技の良さもあって、印象に残る。
なんというか、ナルキスというキャラクターは、典型的な美形ライバルキャラと大きく異なり、(外見以外の)カッコ良さ、人間的魅力、といったものを感じさせない、常に他人を見下した、実にいやらしいイメージのキャラクターなのだ。
そのキャラクターの雰囲気を実によく表しているのが、この「一文字君」という呼び方。ナルキスというキャラの象徴とでも言うべきセリフだ。
建設中ビルの屋上で激闘を繰り広げる、ゲッター號とヘラクルス。
ブーメランソーサーを放つゲッター號であったが、ヘラクルスの念動力の作用で、空中停止。その刃は届かない。
ナルキス「私のメタルビーストは、お前達の今までの武器の概念などでは全く通用しないのだよ? 一文字君」
余裕のナルキス。
また、建設中のビルの屋上には、十分な強度が無く、床が抜け、ビル内部へ落ち込んでしまうゲッター號。
ガラガラと、鉄骨がぶつかる音がする。
苦戦するゲッターを一刻も早く支援せんと、Gアームライザーの組み立て作業を急ぐDr.タマ、ポチを中心としたメンバー。が、焦れば焦るほど、複合素材は粗悪品しかできず、二人の顔には、あきらめの色が浮かび始める。
レミ「よく父が言っていました。不可能を可能にすることが科学者だと」
Dr.ポチ「我々は吉井博士じゃないんだワン」
レミ「ゲッターの戦いぶりは、ずっと見てきました。不可能を可能にしてきた戦いぶりを。
それを支えていたのは、Dr.タマに、Dr.ポチの筈」
橘博士「吉井博士はソードトマホークを作り上げた。それを使えるようにするのが我々の使命だ。ゲッターは唯一希望の光だ。今、ゲッターを失うわけにはいかない……!」
レミと橘博士の言葉を受け、Dr.タマ、ポチも、力を振り絞り、Gアームライザーの完成に挑む……!
苦戦のゲッター號は、クレーンのフックに首をかけられ、宙吊り状態にされてしまう。
號「由自、Gアームライザーはまだか!?」
由自「ま、まだです……」
號「早くしてくれよ……!」
由自「時間を稼いでください。皆さん必死に間に合わせようと、頑張っています!」
號「こいつは……ヘビーだぜ!」
ナルキス「一文字君、どうやら君を買いかぶっていたようだ。そんなに脆いとはな」
號「うるせぇ!」
ナルキス「フッ……。辞世の句でも考えるんだな」
號「なんとか時間を稼がないと……。辞世の句、辞世の句……。
うるせいや
ゲッター飛び込む
鉄の音」
翔「…………バカ……」
剴「ふざけてる場合かぁっ!」
ナルキス「もう少し国語の勉強をしておくんでしたねぇ……。一文字君」
號、必死の時間稼ぎが続く!
(続く)