諸君、ご壮健かな。
中央本線の各駅しか止まらず、特急しなのが止まる塩尻と木曽福島からも距離がある駅。
奈良井駅。
外国人がすごく多いな、そんな思いを抱いたくらいで期待せずに降りてみるが。
その予想は大きく裏切られることとなる!
エネルギーゲインが減りまくる我らは。
蕎麦屋へ直行。
やはり信州と言えば蕎麦。雪解け水が澄み渡っているからであろうか、名物。
良い雰囲気の囲炉裏に陣取る。
囲炉裏…私の祖父の家にあり、あの炭火の上に鍋をぶら下げて食べた食卓は楽しかったものだ。物はそれ自体に何かがあるのではなく、その向こうに見える自らの記憶が呼び起こされるのだ。
店員「お待たせしましたー」
天ぷら山菜蕎麦。
その雰囲気で美味いとなど思わん…。
うま!
雪解け水で打った蕎麦を、その水で作った汁で食べる。スルスルと入り、しかしその奥にも味が残る。土地土地で特色があるのも面白い。やるようになったな!
そして店を出ると、さらに圧倒的ではないか!
中山道の宿場町がそのまま!
ここで多くの旅人や行列が、難路の途中で小休止したのか。平坦な東海道に押され、衰退したいった山道のオアシスだ。
疲れを癒したろう水場。
今でも残る宿場と店。
ここで泊まってみたい。そこはかとなく贅沢な衝動だが、ディズニーランドの中のホテル泊に似たロマンがここにはある。
明治天皇が食事をした?
かつての庄屋さんような人の家。立派な構え、史料館になっているようで、少し入ってみようか。
石油ストーブ懐かしい。
そしてその奥には土間も。懐かしい!エモい!とか一括りにするが、それらの間にも何十年も流れていたり。
今の私の時代も、数十年後には一括りでエモいのかもしれんな。
ぬう!これはマッドアングラー隊のアジトへの隘路か!?
このような引き出し付きの階段。機能性と遊び心の共存、戦場で戦いを忘れる、旅人にはたまらぬギミックだ。
これも登れるなど、まるでボーナスステージ。マリオの井戸の中のコインのよう。
2階はまさに隠れ家みたいだ。
天井が屋根の形で低くなっていく。屋根裏部屋?そろりと障子を開けて外を見る、それもまた楽しそうだ。
ふぅ、と一息ついた旅人。
明治天皇の付き人たちも、ここで休んだのであろうか。線状に結ばれる数々の過去の記憶。ここにこもっていると思うと、不思議な気持ちとなる。
ブギウギ流れたのか!?
このラッパ型のラジオから笠置シヅ子のラッパと娘が流れたのか?想像するだけでも楽しいではないか!
坪庭を通り…。
明治天皇のお食事した場所。
天皇陛下が、ふぅ…と息をついた。想像するだけでズキズキワクワクしないか!