諸君、ご壮健かな。
私の元に刺客が送り込まれた。
修行僧のような頭頂部。
ご存じ、機動戦士ガンダムに登場する哀愁の機体・量産型ザクの頭部。これだけ見ると何に使うものななかわからないが。
チョコレート戦争の品。
ある同志から貰ったこの頭部は、チョコレートの容器なのだ。ありがたいことだ。
まずは袋を眺めてみる。
表面は白い悪魔。
WB-102。ホワイトベースのモビルスーツ隊2号機ということ。つまり1号機のプロトタイプを匂わせるナンバリング、憎いな!
対する裏面は。
やはり赤い彗星。
もうこの2人は仁王様の阿吽の呼吸、Winkの無表情ダンスに並ぶ名コンビ。因みにA12は、サイド7にシャア・アズナブルが潜入した時の舞台コード。
さあ、それでは取り出してみよう。
…。
何だろう、この何人も寄せ付けないオーラ。どうせ俺は量産型、そんなこじれた反骨心も垣間見える。
しかし、私は容赦ない。
裏返し…。
そのハッチを開けると…。
!!!
中にはまさに量産型が潜伏していた。コロニーに入らんとするデニム、ジーン、スレンダーに見える…ような気もしないでもない。
ココカラダシテ。
そんな訴えるような目で…目はないか。しかし私は食べる。抹茶。渋い、まさに玄人が駆る量産型ザク!
そして。
以前頂戴したシャア専用ザクと並べてみる。
主従逆転のような趣。なんだか可愛らしい。