【ストーリー】

時は1962年、ニューヨークの一流ナイトクラブ、コパカバーナで用心棒を務めるトニー・リップは、ガサツで無学だが、腕っぷしとハッタリで家族や周囲に頼りにされていた。
ある日、トニーは、黒人ピアニストの運転手としてスカウトされる。
彼の名前はドクター・シャーリー、カーネギーホールを住処とし、ホワイトハウスでも演奏したほどの天才は、なぜか差別の色濃い南部での演奏ツアーを目論んでいた。
二人は、〈黒人用旅行ガイド=グリーンブック〉を頼りに、出発するのだが─。(Amazon HPより)

 

音楽をベースに黒人差別問題を取り合げており、またバディ物としても面白そうで公開時より気になっていました。

実話に基づいたお話で、本作は今年のアカデミー賞で作品賞、助演男優賞、脚本賞と主要なところを獲得していますね。最近の人種問題を取り扱った作品が賞を取りやすい状況もあるかなと思いますが、作品として素晴らしかったので妥当なのかなと改めて思いました。

主役のトニーを演じたヴィゴ・モーテンセンはロード・オブ・ザ・リングでアラゴルン役を演じていましたが、その時のほっそりとした印象とは打って変わって、相当増量してこの撮影に臨んだようです。見た目だけでなくその演技も素晴らしく、受賞はなりませんでしたが、アカデミー賞主演男優賞ノミネートでしたね。

シャーリー演じたマハーシャラ・アリの演技も素晴らしく、この2人の演技はホントに良かったです。話が進むにつれて、お互いの表情が柔らかくなっていく様にじんわりしました。

 

本作品については人種差別の取り上げ方が、どうしても白人目線(差別から救う白人というやや古典的なアプローチ)とされていますが、こういったものはなかなか難しいですね。

でも、音楽的に成功を収めている黒人でもあちこちで差別を受けていた状況が分かり、問題の根深さを知るのにはよかったと思います。

 

本作品は国内だとブルーレイのみなのですね。風景描写など、4Kであればもっときれいかなと思う場面も多くやや残念でした。今回はレンタルで視聴してみました。

良い映画でした。

 

【個人評価】 ☆☆☆☆☆ (5つ)